老犬が寝たきりになったら|床ずれ・排泄・食事・清潔・寝返りの介護まとめ

A reclining old dog シニア犬

老犬が寝たきりになると、床ずれ、排泄、ご飯、水分、清潔、寝返りなど、急に考えることが増えます。

「この姿勢で苦しくないかな」「床ずれは大丈夫かな」「ご飯を食べないけどどうしよう」「余命が近いのかな」と、不安になる飼い主さんも多いと思います。私もその一人です。

結論からいうと、老犬が寝たきりになった時は、まず「床ずれを作らない」「排泄で皮膚を汚したままにしない」「誤嚥に注意して食事と水分を支える」「楽な姿勢に整える」「飼い主さんが抱え込まない」の5つを意識することが大切です。

寝たきりになったからといって、すぐに余命が近いとは限りません。ただし、呼吸が苦しそう、意識がぼんやりしている、食べない・飲まない、痛がるなどの変化がある時は、早めに動物病院へ相談してください。

この記事では、老犬の寝たきり介護で必要になる床ずれ・排泄・食事・清潔・寝返りのケアをまとめて解説します。

※獣医師さんの意見、老犬介護を扱う動物病院・専門サイトなどを参考にしながら、飼い主目線で分かりやすくまとめています。参照元はこちら

この記事でわかること

  • 老犬が寝たきりになった時に最初に見ること
  • 寝たきりの老犬にとって楽な姿勢と寝返りの考え方
  • 床ずれができやすい場所と予防方法
  • おむつ・ペットシーツ・排泄後の清潔ケア
  • ご飯を食べない時、食欲はあるのに食べにくい時の対応
  • 寝たきり老犬の清潔ケア
  • 手足バタバタ、鳴く、もがく時に考えられること
  • 寝たきりと余命・期間・復活についての考え方

 

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老犬が寝たきりになったら最初に見る5つのこと

老犬が寝たきりになったら、まずは次の5つを見てあげましょう。

  • 同じ向きで寝続けていないか
  • 頬、肩、腰、足首などに赤みや毛の薄さがないか
  • おむつやシーツで皮膚が濡れたままになっていないか
  • 食べる時にむせないか、頭が下がりすぎていないか
  • 手足をバタバタする、鳴く、呼吸が荒いなどの不快サインがないか

寝たきり介護というと、最初から完璧にやらなければと思ってしまいますよね。

でも、実際にはすべてを一気に整えるのは難しいです。

まずは「皮膚」「姿勢」「排泄」「食事」「呼吸や表情」を毎日見ることから始めると、異変にも気づきやすくなります。

特に床ずれは、できてから治すよりも、できる前に防ぐことが大切です。寝返りやマットの工夫、排泄後の清潔ケアは、すべて床ずれ予防にもつながります。

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寝たきりの老犬にとって楽な姿勢と寝返りの考え方

寝たきりの老犬にとって楽な姿勢は、単に「横になっている姿勢」ではありません。

意識したいのは、次のような姿勢です。

  • 呼吸がしやすい
  • 首や背骨がねじれすぎていない
  • 床ずれができやすい部分に圧が集中していない
  • 頭が下がりすぎていない
  • 痛い場所や傷が下になっていない

寝たきりの犬は、横向きで過ごすことが多くなります。

ただ、心臓や呼吸器の病気がある子、床ずれや腫瘍がある子、関節に痛みがある子では、楽な姿勢が変わることもあります。

「この向きだと呼吸が荒くなる」「この姿勢だと手足をバタバタする」「この向きだと落ち着く」など、その子の反応を見ながら調整してあげましょう。

寝返りは、2〜3時間おきが目安として紹介されることが多いです。

ただ、仕事や睡眠、飼い主さんの体力を考えると、毎回きっちり行うのが難しいこともあります。

できる範囲で向きを変え、難しい時間帯は体圧分散マットやクッションを使って、同じ場所に圧がかかり続けないようにしてあげるとよいと思います。

寝返りをさせる時は、背中だけを軸にしてゴロンと転がすのではなく、肩と腰を支え、一度上体を起こしてから、ゆっくり反対側へ寝かせるようにします。

急に動かすと、関節や内臓に負担がかかったり、食べ物や水分が逆流して誤嚥につながることもあります。

不安な場合は、かかりつけの獣医師さんや動物看護師さんに、実際の体位変換の方法を見せてもらうと安心です。

 

床ずれを予防するために見る場所と寝床づくり

床ずれができやすい場所

寝たきりの老犬は、同じ姿勢で寝ている時間が長くなるため、骨が出っ張っている部分に床ずれができやすくなります。

特に注意したいのは、以下のような場所です。

  • 前足首
  • 後足首
  • 肘や膝のまわり

最初は、毛が薄くなる、赤くなる、皮膚が少し硬くなる、湿った感じがするなど、小さな変化から始まることがあります。

水ぶくれのようになったり、ジュクジュクしたり、においが出たり、痛がったりする場合は、床ずれが進んでいる可能性があります。

床ずれ予防の基本

床ずれ予防で大切なのは、同じ場所に圧がかかり続けないようにすることです。

そのために、体圧分散マットや床ずれ防止マットを使うと負担を減らしやすくなります。

硬い床や薄い布団だけで寝かせていると、骨が当たる部分に圧が集中しやすくなります。

一方で、柔らかすぎて体が沈み込みすぎる寝具も、熱や湿気がこもりやすくなることがあります。

寝床は、体をやさしく支えつつ、沈み込みすぎず、清潔に保ちやすいものを選ぶと安心です。

また、床ずれは圧迫だけでなく、蒸れ、排泄物による汚れ、痩せすぎ、移動時の摩擦などでも悪化しやすくなります。

寝返りのたびに、皮膚の赤みや毛の状態を軽く見てあげるだけでも、早期発見につながります。

床ずれができたかもと思ったら

床ずれができたかもしれないと思ったら、自己流で強く拭いたり、乾燥させたり、薬を塗ったりする前に、動物病院へ相談してください。

床ずれは、表面では小さく見えても、皮膚の下で広がっていることがあります。

赤み、傷、膿、におい、痛がる様子がある場合は、早めに診てもらいましょう。

床ずれは「できてから治す」より「できる前に防ぐ」方が、愛犬にとっても飼い主さんにとってもずっと楽です。

初期症状や受診の目安、マット・パッドの選び方については、こちらの記事で詳しくまとめています。

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寝たきり老犬の排泄ケア|おむつ・シーツ・拭き方

寝たきりになると、排泄物でお尻や内股、しっぽ、足まわりが汚れやすくなります。

排泄後に皮膚が汚れたまま、濡れたままになると、皮膚炎やにおい、床ずれの悪化につながることがあります。

まずできる工夫は、お尻まわりの毛を短くしておくことです。

毛が長いと、うんちやおしっこが絡まりやすく、拭き取りにも時間がかかります。肛門まわりや内股を短めにしておくと、清潔を保ちやすくなります。

おむつはとても便利ですが、つけっぱなしにすると蒸れや赤みの原因になることがあります。おしっこやうんちをしたら、できるだけ早めに交換し、皮膚の状態も一緒に見てあげましょう。

おむつを使う時の蒸れ・赤み・ただれ対策については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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寝床には、ペットシーツ、防水シーツ、タオルなどを組み合わせると、汚れた時に交換しやすくなります。

ただし、タオルを何枚も重ねすぎると、しわや段差ができて皮膚に当たることもあります。寝床の表面がゴワゴワしていないかも確認してあげてください。

便秘が続く、尿が出ない、強くいきむ、排泄時に痛がるなどがある場合は、自己流で圧迫したりせず、必ず獣医師さんに相談しましょう。

圧迫排尿や排便介助は、その子の状態に合わせた方法が必要です。

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寝たきりでご飯を食べない・食欲はあるのに食べにくい時

寝たきりの老犬の食事介助で一番気をつけたいのは、誤嚥です。

横になったまま口に押し込むと、食べ物や水分が気管に入ってしまうことがあります。

食べさせる時は、できる範囲で上体や頭を起こし、少量ずつ、飲み込んだことを確認しながら与えましょう。

食欲はあるのに食べにくそうな時は、フードそのものよりも、姿勢や食器の高さ、フードの形状が合っていない場合もあります。

試しやすい工夫は以下です。

  • 食器の高さを少し上げる
  • ドライフードをふやかす
  • ウェットフードを使う
  • 流動食やリキッド系フードを検討する
  • ゼリー状にして飲み込みやすくする
  • 1回量を減らして、少量ずつ与える

シリンジやスポイトを使う場合も、勢いよく入れないようにしてください。

舌の動きや飲み込むタイミングを見ながら、ゆっくり少しずつが基本です。

むせる、咳き込む、食べない、飲まない、体重が落ちる時は、早めに動物病院へ相談しましょう。

老犬がご飯を食べない時の工夫はこちらでも詳しくまとめています。

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寝たきり老犬の清潔ケア|全身シャンプーより部分ケア

寝たきりの老犬は、全身シャンプーが大きな負担になることがあります。

体を洗うこと自体も疲れますし、乾かす時間も体力を使います。

そのため、寝たきり老犬の清潔ケアは、全身を洗うより、汚れた場所をこまめにきれいにする方が現実的です。

日常的には、蒸しタオルやウェットティッシュで、毛の流れに沿ってやさしく拭いてあげます。

拭いた後は、乾いたタオルを押し当てて水分を取りましょう。濡れたままだと、体が冷えたり、皮膚が蒸れたりすることがあります。

特に汚れやすいのは、以下の場所です。

  • お尻まわり
  • 内股
  • 足先
  • 口まわり
  • しっぽ
  • 寝床に当たっている部分

うんち汚れなどが広い範囲についた時は、部分浴が便利です。

全身を洗うのではなく、汚れた部分だけをぬるま湯でやさしく洗い、しっかり乾かします。

水なしシャンプーや拭き取り用のケア用品も、体力が落ちた老犬には使いやすいことがあります。

ただし、皮膚が赤い、ただれている、においが強い、膿が出ている場合は、清潔ケアだけで済ませず動物病院へ相談してください。

清潔ケアは、におい対策だけではありません。皮膚炎、床ずれ、感染予防のためにも大切な介護です。

老犬の清潔ケアについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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手足バタバタ・鳴く・もがく時に考えられること

寝たきりの愛犬が手足をバタバタしたり、鳴いたり、もがいたりすると、見ている方もつらくなりますよね。

これは「わがまま」ではなく、不快感や痛み、不安、何かしてほしいというサインかもしれません。

考えられる原因には、次のようなものがあります。

  • 姿勢がつらい
  • 立ちたい、動きたい
  • 排泄したい
  • おむつや寝具が気持ち悪い
  • 痛みがある
  • 暑い、寒い
  • 喉が渇いている、空腹
  • 認知症による不安や混乱
  • 薬や病気の影響

まずは、おむつが汚れていないか、体の向きがつらくないか、赤みや床ずれがないか、呼吸が苦しそうではないか、室温は合っているかを見てあげましょう。

寝返りをさせたり、声をかけたり、体をやさしく撫でたりするだけで落ち着くこともあります。

ただし、手足バタバタや鳴きが続く、痛がる、呼吸が荒い、意識がぼんやりしている場合は、早めに獣医師さんへ相談してください。

認知症が関係していることもあります。

老犬の認知症については、別の記事で詳しくまとめています。

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寝たきりの老犬は余命が近い?期間や復活について

老犬が寝たきりになると、「もう余命が近いのかな」と考えてしまう方も多いと思います。

でも、寝たきりになったからといって、すぐに余命が近いとは限りません。

食欲がある、意識がはっきりしている、呼吸が落ち着いている、排泄ができている、痛みが強くない場合は、介護をしながら穏やかに過ごせる期間があることもあります。

一方で、次のような様子がある場合は、早めに動物病院へ相談してください。

  • 呼吸が荒い、苦しそう
  • 意識がもうろうとしている
  • 食べない、飲まない
  • 嘔吐や下痢が続く
  • 強い痛みがありそう
  • 尿が出ない
  • 急にぐったりした

「寝たきりからまた立てるようにならないかな…」と考える飼い主さんも多いと思います。

原因によっては、痛みの管理、滑り止め、補助、リハビリ、栄養管理、介護用品の活用などで、また立てるようになる子もいるようです。

ただし、老衰や病気の進行による寝たきりでは、元のように歩くのが難しいこともあります。

大切なのは、「復活できるか」だけにとらわれすぎず、今の愛犬が苦しくないか、食べられているか、眠れているか、排泄できているかを見ることです。

知恵袋やSNSの体験談は参考になることもありますが、愛犬の状態を判断できるのは、実際に診てくれている獣医師さんです。

不安な時は、今の状態でどこまで在宅介護できるのか、どんな変化があれば受診すべきかを聞いておくと安心です。

 

寝たきり介護で飼い主さんが無理をしすぎないために

寝たきり介護は、愛犬の体だけでなく、飼い主さんの心と体にも大きな負担がかかります。

「ちゃんと寝返りさせなきゃ」 「床ずれを作ったらどうしよう」 「食べさせなきゃ」 「寝ている間も見ていなきゃ」

そう思うほど、気が休まらなくなってしまいますよね。

でも、寝たきり介護は100点を目指さなくて大丈夫です。

2〜3時間おきの寝返りが毎回できなくても、夜中に少し眠ってしまっても、自分を責めないでください。

体圧分散マット、ペットシーツ、おむつ、介護クッション、流動食、往診、一時預かり、家族の協力など、頼れるものを頼りましょう。

もし「もう一人では厳しいかも」と感じたら、老犬ホーム、ペットシッターさん、老犬向けのデイサービスなどを頼る選択肢もあります。

一時的に預かってもらう、数時間だけ見てもらう、排泄や寝返りのケアを手伝ってもらうだけでも、飼い主さんの心と体はかなり楽になることがあります。

大切なのは、全部を一人で背負わないことです。
老犬ホームやシッターさん、デイサービスの選び方については、別の記事で詳しくまとめています。

老犬の介護疲れがつらい時に読む記事|少しだけ預けて休む方法
老犬介護に疲れた時、自分を責めすぎなくて大丈夫です。夜鳴きや徘徊、排泄介助で限界を感じる飼い主さんへ、ペットシッター・デイサービス・老犬ホームなど、「少しだけ預ける」休み方も含めてやさしく紹介します。

 

飼い主さんが倒れてしまうと、介護は続けられません。

大好きな飼い主さんが声をかけてくれる、撫でてくれる、そばにいてくれる。

それだけでも、愛犬にとっては安心につながるはずです。

愛犬を大切にすることと同じくらい、飼い主さん自身を守ることも大切です。

 

まとめ|老犬の寝たきり介護は「観察」と「小さな工夫」の積み重ね

老犬が寝たきりになったら、まずは床ずれ、排泄、食事と水分、清潔、寝返りと姿勢を整えてあげましょう。

床ずれは予防が大切です。頬、肩、腰、足首など、骨が当たりやすい部分を毎日見てあげてください。

排泄後は、皮膚が汚れたまま・濡れたままにならないようにし、おむつはこまめに交換します。

食事は、誤嚥に注意しながら、できるだけ上体を起こし、少量ずつ、飲み込んだことを確認しながら与えましょう。

寝たきりになったからといって、すぐに余命が近いとは限りません。

ただし、呼吸、意識、食欲、痛み、排泄の変化は、早めに獣医師さんへ相談してください。

完璧な介護を目指すより、愛犬と飼い主さんが少しでも穏やかに過ごせる介護を目指していきましょう。

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参考文献・サイト

・寝たきり犬の介護のポイントは? 犬も飼い主さんも幸せに過ごすために – Vet’s Eye
https://vetseye.info/opinions/op019/

・寝たきり老犬の床ずれケアと防止用品 | キュティア老犬クリニック
https://cutia.jp/rouken-tokozure.html

・もしも介護が必要になったら?シニア犬の介護の心構え[獣医師アドバイス]
https://ks-online.jp/blogs/tips/mosimojie-hu-gabi-yao-ninatutara-siniaquan-falsejie-hu-falsexin-gou-e-swu-yi-shi-adobaisu

・寝たきり予防!高齢犬との遊び方やマッサージ | ユニ・チャーム ペット
https://jp.unicharmpet.com/ja/web-magazine/dog-000013.html

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