老犬に流動食が必要になったら。作り方・与え方・おすすめ市販品まで解説

Bedridden シニア犬

老犬が固形フードを食べにくくなったとき、流動食は栄養や水分をとるための大切な選択肢です。

ただし、まだ噛める・飲み込める状態なら、いきなり完全な流動食にするのではなく、ふやかしフードやペースト状のごはんから段階的に試すのがおすすめです。

シリンジで老犬に流動食を与える場合は、誤嚥を防ぐために姿勢や与え方に注意が必要です。寝たまま与えず、上半身を起こして、少量ずつ飲み込めたことを確認しながら進めましょう。

この記事では、老犬の流動食の作り方、シリンジでの与え方、高カロリーな市販品の選び方、食べないときの対処法までまとめます。

※獣医師さん監修のペット関連サイト、動物病院、フードメーカー・ペット関連企業のWebサイトなどを参考にしながら、老犬介護中の飼い主さんに向けて分かりやすくまとめています。参照元はこちら

この記事でわかること

・老犬に流動食が必要になるタイミング
・老犬向け流動食の作り方
・シリンジで流動食を与える方法
・誤嚥を防ぐための注意点
・高カロリーな市販流動食・介護食の選び方
・流動食を食べない、飲み込めないときの対処法
・流動食が必要になったときの余命への考え方

 

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老犬に流動食が必要になるのは「固形食が食べにくい・飲み込みにくい」とき

老犬に流動食が必要になるのは、固形のフードを噛む、舌でまとめる、飲み込むといった動作が難しくなってきたときです。

年齢を重ねると、歯や顎の力、舌の動き、飲み込む力、食事中の姿勢を保つ力が少しずつ落ちてきます。そのため、今まで食べていたドライフードを残す、口からこぼす、食べるのに時間がかかる、むせるといった変化が出ることがあります。

ただし、「老犬だから食べない」と決めつけるのは注意が必要です。食べ方が急に悪くなった、しっかり食べているのに痩せてきた、元気がない、嘔吐や下痢がある、むせることが増えた場合は、歯周病や内臓疾患、痛み、吐き気などが隠れていることもあります。

流動食は老犬の食事を助ける方法のひとつですが、まずは愛犬の状態をよく見て、必要に応じて獣医師さんに相談しましょう。

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老犬の流動食はすぐ始めるべき?まだ食べられるなら段階的に

老犬が食べにくそうにしていると、「すぐ流動食にしたほうがいいのかな」と考えてしまうかもしれません。

でも、まだ噛める・飲み込める状態なら、最初から完全な流動食にする必要はありません。まずはドライフードをぬるま湯でふやかす、細かく砕く、ウェットフードを混ぜる、ペースト状にするなど、食べやすい形に変えるところから始めてみましょう。

流動食はやわらかく飲み込みやすい反面、噛む、舌を使う、口を動かす機会が減りやすい面もあります。少しでも自力で食べられるなら、その力を残しながらサポートする視点も大切です。

流動食が向いているのは、固形物をこぼしてしまう、噛めない、飲み込めない、寝たきりで自力で食べるのが難しい、口の中に痛みがありそう、といった状態のときです。

流動食は「もう終わり」という意味ではなく、老犬の食べる力を助けるための選択肢です。愛犬の状態に合わせて、無理のない形を選んでいきましょう。

 

老犬向け流動食の作り方|ドッグフード・ウェット・手作りの基本

いつものドッグフードで作る流動食

一番始めやすいのは、今まで食べていたドッグフードを使って流動食にする方法です。

まず、ドライフードを人肌程度のぬるま湯でふやかします。やわらかくなったら、ミキサーやすり鉢でなめらかにします。粒が残っているとシリンジに詰まることがあるので、必要に応じて茶こしでこすと安心です。

硬さの目安は、シリンジに入れやすいヨーグルトくらいのとろみです。水分が少なすぎると飲み込みにくく、水分が多すぎると量が増えて老犬の負担になるため、少しずつ調整しましょう。

熱湯を使うとフードの栄養素に影響することがあるため、ぬるま湯を使います。また、ふやかしたフードは傷みやすいので、作り置きはせず、食べ残しは処分しましょう。

ウェットフード・缶詰で作る流動食

ウェットフードや缶詰を使うと、ドライフードよりも短時間で流動食を作りやすいです。

ウェットフードにぬるま湯、犬用スープ、犬用ミルクなどを少量ずつ加え、ミキサーやスプーンでなめらかにします。香りが立ちやすいため、食欲が落ちている老犬でも反応してくれることがあります。

ただし、ウェットフードは水分が多いぶん、同じ量でもカロリーが少なくなる場合があります。少量しか食べられない老犬には、高カロリーの介護食や栄養補助食を組み合わせることも検討しましょう。

手作り流動食に使いやすい食材

手作りで流動食を作る場合は、鶏ささみ、鶏むね肉、白身魚、豆腐、かぼちゃ、さつまいも、人参などが使いやすい食材です。

やわらかく加熱して、ミキサーでペースト状にし、ぬるま湯や犬用スープで硬さを調整します。

ただし、手作り食は栄養バランスが偏りやすい面もあります。また、ネギ類、ぶどう、レーズン、アボカド、マカデミアナッツ、カカオ類など、犬に危険な食材は避けてください。

腎臓病、心臓病、膵炎、肝臓病など持病がある場合は、たんぱく質・脂質・塩分・リンなどに配慮が必要なことがあります。自己判断で続けず、獣医師さんに相談しながら進めましょう。

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老犬に流動食を与える方法|シリンジ給餌の手順と注意点

※シリンジ給餌を行う場合は、自己判断で行わず、まずは獣医師さんなど専門家に相談することをお勧めします。

シリンジで与える基本手順

シリンジで流動食を与えるときは、誤嚥を防ぐために姿勢がとても大切です。

まず、老犬の上半身を起こし、頭の位置を体より少し高くします。寝たまま与えると、流動食が気管に入ったり、喉に詰まったりする危険があります。

シリンジは正面からではなく、口の横、犬歯の後ろあたりから入れます。少量ずつ口に入れ、飲み込んだことを確認してから次のひと口を入れましょう。

流動食だけを続けて入れるのではなく、必要に応じて水分も少しずつ与えます。食後は口の中をガーゼや歯磨きシートでやさしく拭き、しばらく上半身を起こした姿勢で、むせや嘔吐がないか様子を見ます。

誤嚥を防ぐためにやってはいけないこと

老犬に流動食を与えるとき、以下のような与え方は避けましょう。

・寝たまま与える
・正面から一気に流し込む
・顎だけを上に向ける
・嫌がっているのに無理やり続ける
・むせる、咳き込む、吐く状態で続ける

特に顎を上に向けると、流動食が気管に入りやすくなるため危険です。老犬の視線が自然に前を向くような姿勢を意識してください。

むせる、咳き込む、呼吸が苦しそう、食後にぐったりするなどの様子があれば、無理に続けず動物病院に相談しましょう。

食事時間と回数の目安

老犬の食事介助は、長くなりすぎると犬にも飼い主さんにも負担になります。食事時間は長くても20分程度を目安にしましょう。

一度にたくさん食べられない場合は、1日3〜4回などに分けて与える方法もあります。

老犬は、今日食べたものを明日も食べてくれるとは限りません。何種類かを少量ずつ用意して、「今日はこれなら食べられる」という選択肢を持っておくと、飼い主さんの気持ちも少しラクになります。

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老犬におすすめの市販流動食・高カロリー介護食の選び方

市販品を選ぶポイント

市販の流動食や介護食を選ぶときは、まず「総合栄養食」「栄養補完食」「療法食」のどれにあたるかを確認しましょう。

主食として使いたい場合は、総合栄養食かどうかが大切です。食欲が落ちたときの補助として使うなら、栄養補完食や高カロリーのペースト、犬用ミルクなども選択肢になります。

また、老犬は一度に食べられる量が少なくなることが多いため、少量でカロリーをとれるかも確認したいポイントです。

シリンジで与えるなら、液体・ムース・ペースト・粉末など、なめらかに調整しやすいタイプが便利です。療法食やリキッドタイプの食事は、病気や体調によって合う・合わないがあるため、獣医師さんに相談してから使いましょう。

老犬の流動食として使いやすい市販品

老犬の流動食や介護食として候補に入れやすい市販品には、以下のようなものがあります。

デビフ カロリーエースプラス

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出典:楽天

犬用の流動食・介護食としてよく知られている商品です。液体タイプやムースタイプがあり、食欲が落ちた老犬や、固形物が食べにくい犬に使いやすいのが特徴です。少量でもカロリーを補いやすく、シリンジやスプーンで与えやすい点もメリットです。

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森乳サンワールド ワンラック ワンちゃんの介護食

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出典:森乳サンワールド

粉末タイプの介護食で、ぬるま湯で溶いて硬さを調整できます。お団子状、ペースト状、流動食に近い状態など、愛犬の食べる力に合わせて変えやすいのが特徴です。シニア犬の栄養補給を考えたいときに候補になります。

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ヒルズ プリスクリプション・ダイエット a/d

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出典:ヒルズ

回復期や衰弱時の栄養補給を目的とした療法食です。やわらかい缶詰タイプで、少量でエネルギーをとりやすい設計になっています。ただし療法食なので、自己判断で使い続けるのではなく、かかりつけの獣医師さんに相談してから使いましょう。

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ロイヤルカナン クリティカル リキッド

Critical Liquid

出典:ロイヤルカナン

体力が落ちている犬や、通常の食事が難しい犬の栄養補給に使われるリキッドタイプの食事です。完全な液体なので、シリンジで与えやすいのが特徴です。こちらも療法食に近い位置づけのため、獣医師さんの指導のもとで使うのが安心です。

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ロイヤルカナン 消化器サポート リキッド

Digestive Support

出典:ロイヤルカナン

消化器に配慮したリキッドタイプの食事です。脂肪量やカロリー密度などが調整されているため、消化器系のトラブルがある犬で候補になることがあります。病気の状態によって適さない場合もあるため、必ず獣医師さんに確認しましょう。

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犬用ミルク・栄養補助ペースト

犬用ミルクや高カロリーの栄養補助ペーストは、食事量が少ないときの補助として使いやすい商品です。主食というより、食欲が落ちたときや少しでもカロリーを足したいときのサポートとして考えるとよいでしょう。

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経口補水系の商品

水分をとりにくい老犬には、犬用の経口補水パウダーやゼリー、電解質を補える商品が役立つことがあります。ただし、腎臓病や心臓病などがある場合は水分や電解質の管理が必要なこともあるため、獣医師さんに相談してください。

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流動食を食べない・飲み込めないときの対処法

流動食を用意しても、老犬が食べてくれないことはあります。

まず試したいのは、温度と香りの調整です。冷たいままだと食欲が出にくいことがあるため、人肌程度に温めて香りを立ててみましょう。ぬるま湯、犬用スープ、鶏肉のゆで汁などを少量加えると、においで反応してくれる場合があります。

硬さも大切です。水分が少ないと飲み込みにくく、水分が多すぎると量が増えて疲れてしまいます。愛犬が飲み込む様子を見ながら、少しずつ調整しましょう。

シリンジを嫌がる場合は、やわらかいスプーン、調味料ボトル、介護用の給餌ボトルなど、別の道具を試す方法もあります。

また、食事の姿勢や環境も見直してみてください。床が滑って踏ん張れない、食器が低すぎる・高すぎる、首がつらいなど、食べ物以外が原因で食べにくいこともあります。

ただし、むせる、吐く、飲み込めない、ぐったりする、呼吸が苦しそうな場合は、無理に食べさせず動物病院へ相談してください。

食べないときに必要なのは、根性で食べさせることではなく、「なぜ食べられないのか」「どうすれば苦しくないのか」を見直すことです。

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老犬が流動食になったら余命が近いサイン?

老犬に流動食が必要になると、「もう余命が近いのかな」と不安になる飼い主さんは多いと思います。

流動食が必要になることは、たしかに体力や食べる力が落ちているサインのひとつです。でも、流動食になったからといって、すぐに余命が短いと決まるわけではありません。

原因は、老衰だけでなく、歯や口の痛み、内臓の病気、認知機能の低下、姿勢を保てないこと、嚥下機能の低下などさまざまです。

大切なのは、余命を決めつけることよりも、今の愛犬が苦しくなく食べられる方法を探すことです。食べられるものが減っていくのは本当に切ないですが、流動食は「少しでも食べる」を支えるための手段にもなります。

不安なときは、体重、食事量、水分量、排泄、呼吸、元気の有無をメモして、かかりつけの獣医師さんに相談してみてください。

 

手作りがつらいときは、市販の流動食に頼っていい

老犬介護では、食事だけでなく、排泄、通院、床ずれ、夜鳴き、寝返り、投薬など、たくさんのお世話が重なります。

「固形フードがまだ残っているから、これをミキサーにかけて食べさせよう」
「ささみを茹でて、ペーストにして、少しでも食べてもらおう」

そう思う気持ちは、とても自然です。私も、定期購入していたフードを止めるとき、何ともいえないつらさがありました。

食べられるものは食べてほしい。でも無理はさせたくない。でも、やっぱりもう少し頑張ってほしい。

老犬介護の食事は、その気持ちのくり返しだと思います。

けれど、毎回ミキサーで手作りするのは本当に大変です。介護が続く中で、飼い主さんが疲れ切ってしまうこともあります。

だから、市販の流動食や介護食を使うことは手抜きではありません。むしろ、介護を続けるための大切な工夫です。

愛犬が好きそうなものを探して、今日はこれなら食べられるかなと選ぶ時間も、残された愛犬との大切な時間です。

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まとめ|老犬の流動食は「安全に、無理なく、続けられること」が大切

老犬が固形食を食べにくくなったとき、流動食は栄養と水分をとるための大切な選択肢です。

ただし、まだ噛める・飲み込めるなら、ふやかしフードやペースト状のごはんから段階的に試してみましょう。

シリンジで与える場合は、寝たまま与えず、上半身を起こして少量ずつ。むせる、吐く、飲み込めない、急に痩せる、ぐったりする場合は、無理に続けず動物病院へ相談してください。

手作りでも市販品でも、愛犬と飼い主さんに合う方法を選べば大丈夫です。

「まだ頑張ってほしい」と「無理はさせたくない」の間で揺れる時間は、とても苦しいものです。それでも、今食べられるものを探してあげることは、きっと愛犬との穏やかな時間につながります。

 

参考文献・サイト

・獣医師がアドバイス 老犬介護食
https://www.houndcom.com/blog/archives/3128

・シニア期の食事について|桑原動物病院
https://kuwabara-awc.com/worry/worry01.html

・家庭で実践できる老犬の食事の工夫 老犬の食欲不振<後編>|ユニ・チャーム ペット
https://jp.unicharmpet.com/ja/web-magazine/dog-000052.html

・【獣医師監修】シニア犬の食事で気をつけることは?|ワンペディア
https://wanpedia.com/senior_foods/

・食餌の介助方法③|北摂けものみち動物医療センター
https://kemonomichi-ah.com/2023/11/01/5025/

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