老犬の床ずれ対策|初期症状と治し方・予防ケア

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老犬の体に赤みを見つけたとき、「これは床ずれの初期症状なのかな」「すぐに動物病院へ連れて行ったほうがいいのかな」と不安になる飼い主さんは多いと思います。

結論からいうと、皮膚の赤みやただれ、ジュクジュクした傷が気になるときは、できるだけ早めに獣医師さんへ相談するのが安心です。そのうえで、ご家庭では次のようなケアが基本になります。

  • 体にかかる圧を減らす
  • 皮膚と寝床を清潔に保つ
  • 湿気や摩擦をできるだけ防ぐ

老犬の床ずれを予防する方法として、動物病院や専門サイトでもよく紹介されているのが、2〜3時間おきの体位変換(寝返り)体圧分散マットの使用皮膚や寝床の清潔維持です。(文献によっては、体位変換の目安を2〜4時間おき)

この記事では、床ずれ(褥瘡)の原因、初期症状、受診の目安、寝返りの頻度、家庭でできるケア、薬やワセリン・キズパワーパッドを使うときの注意点、マットや手作りパッドの考え方について、わかりやすく解説します。

※本記事は、動物病院のウェブサイトや獣医師監修の記事、ペット関連企業の情報を参考に作成しています。参考資料はこちら

この記事でわかること

  • 床ずれ(褥瘡)とは何か
  • 老犬に床ずれができやすい理由
  • 床ずれの初期症状と、早めに受診したいサイン
  • 寝返りは何時間おきに行うべきか
  • 家庭でできる床ずれケアの基本
  • 薬・ワセリン・キズパワーパッドを使うときの注意点
  • 体圧分散マットや手作りパッドの考え方

 

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老犬の床ずれは「早期発見」と「予防」が何より大切

老犬になると、寝て過ごす時間が増え、同じ姿勢のままでいることが多くなります。

同じ場所に長時間圧力がかかると、その部分の血流が悪くなり、皮膚やその下の組織が傷んでしまうことがあります。これが床ずれ(褥瘡/じょくそう)です。

床ずれは一度できると治るまでに時間がかかり、再発しやすいこともあります。そのため、できてから治すことだけでなく、日頃から予防することがとても大切です。

  • 体圧を分散する
  • 皮膚の湿気を防ぐ
  • 摩擦を減らす
  • 皮膚の変化を早めに見つける

こうした小さなケアの積み重ねが、床ずれの悪化予防につながります。

また、完全な寝たきりでなくても、病気やケガで動きにくい子、自力で寝返りが打てない子、筋力が落ちている子は床ずれができることがあります。

介護は、完璧を目指さなくても大丈夫です。飼い主さんが無理なく続けられる方法で、少しずつケアを取り入れていきましょう。

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老犬の床ずれとは?できやすい原因と場所

床ずれの主な原因は「同じ場所への圧迫」

床ずれは、同じ場所に長時間体重がかかり続けることで起こります。圧迫された部分の血流が悪くなり、皮膚や皮下組織がダメージを受けてしまうのです。

さらに、次のような要因が重なると床ずれのリスクは高まります。

  • 尿や便による湿気
  • 皮膚や被毛の汚れ
  • 体を移動させるときの摩擦
  • 栄養状態の低下
  • 体重減少による骨の突出

進行すると、皮膚が破れてジュクジュクした傷になったり、膿や悪臭が出たりすることがあります。さらに悪化すると、皮膚の下に空洞ができたり、骨や関節にまで炎症が及んだりすることもあります。

床ずれは一度できると治りにくく、再発しやすいトラブルです。だからこそ、赤みや脱毛などの小さな変化に早く気づき、早めに対策を始めることが大切です。

床ずれができやすい部位

特に、骨が出っ張っていて床やマットに当たりやすい場所は注意が必要です。

  • 肩・肩甲骨まわり
  • 手首
  • 足首
  • ひざ
  • かかと

長毛の子は、毛に隠れて皮膚の赤みが見えにくいことがあります。毎日のケアの中で、毛をかき分けて皮膚の状態を確認してあげましょう。

 

床ずれの初期症状と受診の目安

初期に見られるサイン

床ずれの初期には、次のような変化が見られることがあります。

  • 皮膚が赤くなっている
  • 毛が薄くなっている
  • 皮膚が少しへこんで見える
  • 皮膚に湿り気がある
  • 触ると柔らかく、ぶよぶよしている
  • 触られるのを嫌がる

この段階で気づくことができれば、圧迫を避けたり寝床を見直したりすることで、悪化を防げる可能性があります。

ただし、床ずれは表面だけで判断しにくいこともあります。赤みが小さく見えても、皮膚の下でダメージが進んでいる場合もあるため、少しでも気になる変化があれば早めに獣医師さんへ相談しましょう。

早めの受診をおすすめするサイン

次のような症状がある場合は、できるだけ早く動物病院を受診してください。

  • 皮膚が破れている
  • ジュクジュクしている
  • 出血している
  • 強いにおいがある
  • 膿が出ている
  • 強く痛がる
  • 食欲が落ちている
  • 元気がない

屋外や不衛生な環境では、傷口にハエが卵を産みつけ、ウジが発生する「ハエウジ症」のリスクもあります。床ずれがある場合は、できるだけ清潔な屋内環境で過ごせるようにしてあげましょう。

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老犬の床ずれは何時間おきに寝返りをすればよい?

一般的には、2〜3時間おきの体位変換が目安とされています。文献によっては、2〜4時間おきとされることもあります。

ただし、必要な頻度は犬によって異なります。

  • 体格
  • 痩せ具合
  • 皮膚の状態
  • 寝ている時間の長さ
  • 使用しているマットやクッション

これらによって、床ずれのできやすさは変わります。

また、「高機能な介護マットを使っているから、寝返りや皮膚チェックはしなくていい」というわけではありません。マットはあくまで体にかかる圧を分散し、飼い主さんの負担を減らすための補助です。

夜間まで無理に起き続ける必要はありませんが、体圧分散マットやクッションを上手に使いながら、できる範囲で皮膚チェックと体位変換を続けていきましょう。

大型犬や痩せている子は骨への負担が大きくなりやすいため、より注意が必要です。

寝返りのときの注意点

寝返りをさせるときに、体を無理にひねると関節や内臓に負担がかかることがあります。お腹を上にして、仰向けにひっくり返すような動かし方は避けましょう。

寝返りをさせるときは、次の流れを意識すると安心です。

  • 優しく声をかける
  • 肩と腰を支える
  • 背中が上になるように、ゆっくり反対側へ向ける

大型犬の場合は、バスタオルやタオルケットを体の下に差し込んで補助すると、犬の体にも飼い主さんの腰にも負担がかかりにくくなります。

 

老犬に床ずれができたときの治し方

まずは圧迫を避けて動物病院へ相談する

床ずれの治し方は、傷の深さや感染の有無によって変わります。そのため、自己判断だけで治療を進めるのは避けましょう。

動物病院では、状態に応じて次のような処置が行われます。

  • 傷まわりの被毛の処理
  • 傷の洗浄
  • 壊死した組織の処置
  • 軟膏の処方
  • 創傷被覆材の使用
  • 必要に応じた抗生物質の投与

ご家庭では、獣医師さんの指示に沿って「清潔にする」「圧迫を避ける」「乾燥させすぎない」という基本を守ることが大切です。

家庭での応急ケア

動物病院への相談が基本ですが、受診までの間に家庭でできる応急的なケアとしては、次のようなものがあります。

  • 患部が下にならないように体勢を変える
  • 汚れた部分をぬるま湯や生理食塩水でやさしく洗い流す
  • 排泄物や食べこぼしで汚れたままにしない
  • 傷口をドライヤーで乾かしすぎない
  • 清潔な屋内環境で過ごさせる

傷口は乾燥させすぎると、治癒に必要な滲出液が乾き、治りが遅くなることがあります。洗ったあとにドライヤーで強く乾かすようなケアは避けましょう。

傷のまわりの毛は、できれば動物病院で処理してもらうのが安心です。家庭で行う場合は、皮膚を傷つけないよう十分に注意してください。

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犬の床ずれに効く薬はある?ワセリンやキズパワーパッドの注意点

床ずれに使う薬は傷の状態で変わる

床ずれに使う薬は、傷の深さや感染の有無によって変わります。

市販薬を自己判断で塗ると、感染を悪化させたり、傷に合わない湿潤環境を作ってしまったりする可能性があります。抗生剤、軟膏、ドレッシング材などを使うかどうかは、獣医師さんに傷の状態を診てもらったうえで判断してもらいましょう。

ワセリンは使ってもいい?

ワセリンは、浅い傷の乾燥予防として紹介されることがあります。ただし、すべての床ずれに使ってよいわけではありません。

次のような場合は、自己判断で使わないようにしましょう。

  • 膿んでいる
  • 悪臭がある
  • 傷が深い
  • 感染が疑われる
  • ジュクジュクが強い

ワセリンを使う場合も、傷の状態に合っているかどうかを獣医師さんに確認してからにすると安心です。

キズパワーパッドは使ってもいい?

キズパワーパッドのような湿潤療法を意識した製品は、人の傷ではよく使われます。ただし、犬の床ずれに使う場合は注意が必要です。

  • 感染している傷
  • 毛が多い部位
  • 犬が舐めたり剥がしたりする場所
  • 膿や悪臭がある傷

このような場合には、かえって悪化させる可能性があります。

初期の小さな傷であっても、貼る前に獣医師さんへ確認するのがおすすめです。

 

老犬の床ずれを予防する5つのケア

1. 2〜3時間おきに体位変換する

繰り返しにはなりますが、同じ場所に圧がかかり続けないように、できる範囲で体位変換をしてあげましょう。目安は2〜3時間おきですが、犬の状態やマットの性能によって調整が必要です。

2. 体圧分散マットを使う

床ずれ予防には、体にかかる圧を分散できるマットが役立ちます。

柔らかすぎるマットや低反発だけのマットは、体が沈み込みすぎたり、蒸れやすくなったりすることがあります。低反発と高反発の2層構造のものや、通気性のよいものなど、愛犬の体格や状態に合わせて選びましょう。

3. クッションやパッドで骨の出っ張りを守る

ドーナツ型クッションやスティック型クッション、丸めたタオル、手作りパッドなどは、骨の出っ張った部分の保護や姿勢の維持に役立つことがあります。

ただし、ドーナツ型クッションは縁の部分に圧が集中することがあります。長時間同じ位置に置いたままにせず、こまめに位置をずらして使いましょう。

4. 皮膚と寝床を清潔に保つ

排泄物や食べこぼし、よだれ、皮脂などで皮膚や被毛が汚れたままだと、床ずれや感染のリスクが高まります。

清潔を保つために、次のようなケアを取り入れてみましょう。

  • こまめにおむつを交換する
  • 蒸しタオルやシャンプータオルで体を拭く
  • 必要に応じてドライシャンプーを使う
  • 寝具を洗濯する
  • 汚れやすいお尻まわりの毛を短く整える

お尻まわりの毛を短くしておくと、汚れにくく、洗いやすくなります。

お尻だけの部分洗いやドライシャンプーについては、こちらの記事で詳しくまとめています。

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5. 栄養と水分、軽いマッサージも意識する

老犬になると活動量が減り、食欲の低下や体重減少が見られることがあります。

痩せると骨が出っ張りやすくなり、床やマットに当たる部分への負担が大きくなります。食欲が落ちている、体重が減ってきたと感じる場合は、獣医師さんに相談しながら、ウェットフードや介護食、栄養補助食品などを検討しましょう。

また、血行を良くするために、床ずれ部分を避けながら体をやさしくさすったり、手足を無理のない範囲で曲げ伸ばししたりするのもよい方法です。

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老犬の床ずれ予防マットの選び方

老犬の床ずれ予防マットを選ぶときは、次の5つを意識すると選びやすくなります。

体圧分散

寝たきりの犬には、厚みがあり体圧を分散しやすいものがおすすめです。まだ歩ける犬には、段差が低く、つまずきにくいものを選ぶと安心です。

通気性

湿気や体温がこもりにくい素材を選びましょう。蒸れは皮膚トラブルの原因になることがあります。

洗いやすさ

老犬介護では、排泄物や食べこぼしで寝具が汚れることはよくあります。

清潔を保つためには、「丸洗いできる」「カバーを洗える」「拭き取りやすい」といった製品が便利です。

サイズ

寝返りをさせやすいよう、体よりひとまわり大きく、足を伸ばしてもはみ出さないサイズを選びましょう。

介護のしやすさ

取っ手付きのマットや、寝返り補助にも使える介護用マットがあると、移動や体位変換がしやすくなります。犬だけでなく、飼い主さんの体への負担を減らすことにもつながります。

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老犬の床ずれ用パッドを手作りする場合の注意点

母乳パッド、穴あきビニール水切り袋、ガーゼ、タオルなどを使って、床ずれ用のパッドを手作りする例もあります。

こうした手作りパッドは、患部の保護や骨の出っ張りへの圧迫軽減に役立つことがあります。

ただし、傷口に直接当てる素材や交換頻度は、傷の状態によって変わります。ジュクジュクしている場合は1日1〜2回を目安に交換する例もありますが、汚れたら早めに交換し、清潔を保つことが大切です。

傷の状態によっては、手作りパッドが合わないこともあります。使う前に一度、動物病院で確認しておくと安心です。

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老犬の床ずれ介護で飼い主さんが無理をしすぎないために

床ずれは、どれだけ飼い主さんが気をつけていても、犬の状態によってできてしまうことがあります。

大切なのは、飼い主さんを責めることではなく、早く気づいてケアを見直すことです。

夜間の寝返りがつらい場合は、体圧分散マットやクッションを活用しましょう。必要に応じて、動物病院、訪問サービス、老犬ホーム、一時預かりなどを頼ることも選択肢のひとつです。

「完璧な介護」よりも「続けられる介護」を目指すことが、飼い主さんにとっても愛犬にとっても大切だと思います。

 

まとめ|小さな赤みを見逃さないことが大切

老犬の床ずれは、早い段階で気づき、適切に対応することで悪化を防げる可能性があります。

特に大切なのは、次の3つです。

  • 小さな赤みを見逃さない
  • 早めに獣医師さんへ相談する
  • 寝返り・マット・清潔管理を続ける

「少し赤いだけ」と思っていても、皮膚の下で進行していることがあります。

床ずれは、一度できると治るまでに時間がかかり、再発しやすいトラブルです。迷ったときは自己判断せず、かかりつけの動物病院に相談することをおすすめします。

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参考文献・サイト

・キュティア老犬クリニック「寝たきり老犬の床ずれケアと防止用品」
https://cutia.jp/rouken-tokozure.html

・ALL動物病院 行徳「犬や猫の床ずれ(褥瘡)はどうしたらいい?なぜなるの?」
https://www.wizoo.co.jp/information/disease/dermatology/2025/11668/

・グリーンパーク動物病院「犬の褥瘡(床ずれ)予防法」
https://greenparkanimalhospital.com/bedsore/

・よつば動物病院「寝たきりペットの床ずれ予防」
https://www.yotsuba-ah.com/?p=832

・Dog care house ふみちゃん家「老犬が床ずれになった時に何をすべきか」
https://dog-fumichanti.com/column/6b5b5719-3aa1-49c0-8b70-fd4072a480d3

・ユニ・チャーム ペットと、ずっと。「床ずれ予防と老犬ケア」
https://jp.unicharmpet.com/ja/web-magazine/dog-000014.html

・ペットスマイルニュース PSnews「愛犬の床ずれへの対応方法」(獣医師監修)
https://psnews.jp/dog/p/47825/

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