「老犬の足がぷよぷよしている」
「寝起きだけむくんでいる気がする」
「犬のむくみはマッサージしてもいいの?」
このように不安になっていませんか。
結論からいうと、老犬のむくみは、寝たきりや車椅子生活による血流の悪さで起こることもありますが、心臓病・腎臓病・肝臓病・低たんぱく・腹水などが関係している場合もあります。
そのため、「老犬だから仕方ない」と決めつけず、まずはむくみの出方や一緒に出ている症状を確認し、気になる場合は動物病院で相談することが大切です。
この記事では、老犬のむくみの見分け方、受診目安、犬のむくみとマッサージ・食事の考え方、自宅でできる介護中の工夫をまとめます。
※この記事は、獣医師さん監修サイト、動物病院、ペット関連企業のwebサイトなどを参考にしながら、老犬介護中の飼い主目線で分かりやすくまとめています。参照元はこちら。
この記事でわかること
・老犬のむくみの見分け方
・すぐ受診した方がよいサイン
・犬の腹水と足のむくみの関係
・犬の腎不全や心臓病とむくみの関係
・むくみがある時のマッサージの注意点
・食事や水分ケアで気をつけたいこと
・我が家の19歳老犬のむくみ対策
老犬のむくみは「原因を確認すること」が大切
老犬のむくみでまず大切なのは、「一時的なむくみなのか、病気のサインなのか」を自己判断しすぎないことです。
犬のむくみは、皮膚の下などに余分な水分がたまっている状態です。足先や顔、お腹まわりがぷよぷよして見えたり、左右で太さが違って見えたりすることがあります。
老犬の場合は、寝ている時間が長くなったり、同じ姿勢が続いたり、足腰が弱って動く時間が減ったりすることで、血流やリンパの流れが悪くなり、むくみやすくなることがあります。
一方で、むくみは体の中の病気が関係して出ることもあります。
たとえば、心臓病で血液の流れが滞る、腎臓病でタンパクが尿に漏れる、肝臓や消化器の病気で血液中のタンパクが減る、腹水や胸水がたまる、といったケースです。
つまり、老犬のむくみは「マッサージすればよい」とすぐに考えるよりも、まずは原因を見極めることが大切です。

犬のむくみの見分け方
犬のむくみは、見た目だけでは分かりにくいことがあります。
普段から触っている飼い主さんだからこそ、「あれ、いつもより足が太いかも」「寝起きだけぷよぷよしているかも」と気づけることも多いです。
足や顔、お腹がぷよぷよしていないか見る
むくみが出やすい場所としては、足先、後ろ足、顔、まぶた、お腹まわりなどがあります。
特に老犬では、後ろ足が冷たくなったり、足先がぷよぷよしたり、寝ていた下側の足だけむくんで見えることがあります。
左右の足の太さに差がある場合や、片足だけ明らかに腫れている場合は、血流やリンパの流れ、炎症、腫瘍など別の原因が関係していることもあるため注意が必要です。
押したあとが戻りにくいか確認する
むくみのサインとして、指で軽く押したあと、へこんだ跡がしばらく残ることがあります。
ただし、強く押す必要はありません。痛がる場合や、皮膚に炎症がある場合は無理に触らないでください。
また、見た目では「太ったのかな」と思っても、実際には腹水やむくみだったということもあります。お腹だけが急に張ってきた、短期間で体型が変わったように見える場合は、動物病院で確認してもらう方が安心です。
寝起きだけむくむ場合も油断しすぎない
「犬の寝起きのむくみ」は、同じ姿勢で寝ていたことによる一時的な血流低下で起こることもあります。
特に寝たきりに近い子や、車椅子・介護ハーネスなどで同じ姿勢が続きやすい子は、圧がかかる部分や下になっていた足がむくみやすいことがあります。
ただし、寝起きだけだと思っていたむくみが、だんだん戻りにくくなったり、食欲低下や咳、呼吸の変化を伴ったりする場合は、病気が関係している可能性もあります。
「前より戻りが遅い」「むくむ頻度が増えた」と感じたら、早めに獣医師さんに相談しておきましょう。
すぐ動物病院に相談したいむくみのサイン
老犬のむくみで特に注意したいのは、むくみ以外の症状が一緒に出ている場合です。
次のような様子がある時は、早めに動物病院へ相談してください。
・呼吸が早い、苦しそう
・咳が増えた
・ぐったりしている
・食欲がない
・お腹だけが急に張ってきた
・舌や歯ぐきの色が白っぽい、紫っぽい
・顔やまぶた、口まわりが急に腫れた
・尿の量が急に変わった
・下痢や嘔吐、体重減少が続いている
・足のむくみが片側だけ強い
・痛がる、触られるのを嫌がる
特に、呼吸が苦しそうな時や、顔・喉まわりが急に腫れた時は、緊急性が高い場合があります。
心臓病が関係して肺水腫が起きると、呼吸が苦しくなり命に関わることもあります。腎臓病や心臓病で治療中の子、皮下点滴をしている子も、むくみや呼吸の変化には注意が必要です。
老犬の呼吸が気になる場合はこちらも参考にしてください。


老犬のむくみで考えられる主な原因
犬のむくみには、いくつかの原因が考えられます。
ここでは代表的なものを整理しますが、実際の原因は検査しないと分かりません。あくまで「こういう可能性がある」として見てください。
同じ姿勢や圧迫による血流低下
寝たきり、歩行困難、車椅子生活、介護ハーネスの使用などで同じ姿勢が続くと、血流やリンパの流れが悪くなり、足がむくむことがあります。
包帯や服、ハーネス、車椅子のベルトなどが一部に強く当たっている場合も、局所的なむくみにつながることがあります。
このタイプのむくみは、体勢を変える、当たる部分を柔らかくする、獣医師さんに確認したうえでやさしくマッサージする、といった工夫で軽くなることもあります。
ただし、痛みや炎症、血栓、腫瘍などがある場合は、マッサージが逆効果になる可能性もあるため注意が必要です。
寝たきり介護についてはこちらで詳しくまとめています。

心臓病によるむくみ・腹水
心臓の働きが弱くなると、血液を全身にうまく送れなくなり、体に水分がたまりやすくなることがあります。
犬の心不全では、疲れやすい、呼吸が早い、咳が出る、食欲が落ちる、足がむくむ、お腹が膨らむなどの症状が見られることがあります。
お腹が膨らんで見える場合は、単なる肥満ではなく腹水が関係していることもあります。
「犬 腹水 足 のむくみ」と検索している方は、足だけでなくお腹の張りや呼吸の変化も一緒に見てあげてください。
腎不全や腎臓病によるむくみ
犬の腎不全や腎臓病でも、むくみが関係することがあります。
腎臓の病気でタンパク質が尿に漏れると、血液中のタンパクが減り、水分を血管内に保ちにくくなる場合があります。その結果、足のむくみや腹水につながることがあります。
また、老犬の腎臓病では皮下点滴を行うこともありますが、輸液量が多すぎると体に水分がたまり、むくみや呼吸の異常につながる可能性もあります。
皮下点滴中の子で、急な体重増加、むくみ、咳、呼吸が早いなどが見られた場合は、点滴量や頻度を含めて獣医師さんに相談してください。
腎臓病の食事についてはこちらも参考になります。

低たんぱく・消化器や肝臓の病気
血液中のアルブミンなどのタンパク質が少なくなると、血管の外へ水分が漏れやすくなり、むくみや腹水が出ることがあります。
低たんぱくの原因としては、肝臓でタンパクが作れない、腎臓からタンパクが漏れる、腸からタンパクが失われる、などがあります。
タンパク漏出性腸症では、慢性的な下痢、嘔吐、体重減少、むくみ、腹水などが見られることがあります。
「下痢も続いている」「食べているのに痩せてきた」「お腹が張っている」という場合は、むくみだけでなく全身の状態として相談した方が安心です。
アレルギーや炎症
顔やまぶた、口まわりが急に腫れた場合は、アレルギー反応が関係していることがあります。
ワクチン、薬、食べ物、虫刺されなどがきっかけになることもあります。特に、顔や喉まわりが腫れて呼吸が苦しそうな場合は、急いで受診が必要です。
また、歯周病や外傷、感染、腫瘍などで「むくみのように見える腫れ」が出ることもあります。
見た目だけで判断せず、急に腫れた場合や痛がる場合は早めに診てもらいましょう。
犬のむくみにマッサージはしてもいい?
犬のむくみでマッサージをしてよいかは、原因によります。
老犬の足のむくみが、同じ姿勢や運動量の低下、冷え、血流の悪さによるものと考えられる場合は、やさしくさする程度のケアが役立つことがあります。
ただし、病気が原因のむくみ、痛みがあるむくみ、片足だけ強く腫れているむくみ、炎症や腫瘍、血栓の可能性がある場合は、自己判断で揉むのは避けた方が安心です。
我が家でも、19歳の老犬の後ろ脚がむくんだ時は、まず獣医師さんに相談しました。
そのうえで、車椅子が当たる部分で血流が悪くなっている可能性があると言われたため、今は次のような工夫をしています。
・車椅子の肌に触れる部分をタオルなどで柔らかくする
・むくみが気になる時は、やさしくマッサージする
・脚が冷えている時は温める
・車椅子に乗せっぱなしにせず、横になる時間も作る
うちの子の場合は、マッサージをすると比較的すぐにむくみが引いてくることがあります。
ただ、これはあくまで「我が家の場合」です。
マッサージは、強く揉むよりも、足先から体の方へやさしくなでる、軽く包む、温めながら短時間で終えるくらいが現実的です。
嫌がる、痛がる、呼吸が荒くなる、疲れてしまう場合はすぐにやめてください。
老犬のマッサージについてはこちらも参考にしてください。


犬のむくみと食事|利尿食や水分ケアは慎重に
犬のむくみがあると、「利尿作用のある食べ物をあげた方がいいのかな」と考える方もいると思います。
ただし、むくみの原因が心臓病や腎臓病、低たんぱく、薬の影響などの場合、食事や水分の調整は慎重に考える必要があります。
たとえば、腎臓病の子では水分補給が大切なこともありますが、心臓病を併発している場合は水分の入れすぎが負担になることもあります。
また、カリウム制限が必要な子、療法食を食べている子、利尿剤などの薬を使っている子に、自己判断で利尿作用を期待した食材やハーブを取り入れるのは避けた方が安心です。
犬のむくみと食事で大切なのは、「むくみを食べ物で治そう」とすることではなく、原因に合った食事管理をすることです。
腎臓病、心臓病、肝臓病、消化器疾患などがある場合は、療法食や栄養バランスについて獣医師さんと相談しながら決めましょう。
老犬が療法食を食べない場合はこちらも参考にしてください。

動物病院で相談する時に伝えたいこと
老犬のむくみで受診する時は、次のような情報をメモしておくと相談しやすいです。
・いつからむくんでいるか
・どこがむくんでいるか
・左右差があるか
・押すと跡が残るか
・寝起きだけか、一日中続くか
・お腹の張りがあるか
・咳や呼吸の変化があるか
・食欲や元気の変化
・尿や便の変化
・体重の急な増減
・持病や服薬内容
・皮下点滴の有無、量、頻度
・車椅子、ハーネス、包帯など圧迫しそうなものの使用状況
可能であれば、むくんでいる部分の写真や動画も残しておくと分かりやすいです。
病院に行く頃にはむくみが引いていることもあるので、「どんな時に出るか」「どのくらいで戻るか」を記録しておくと役立ちます。

まとめ|老犬のむくみは「病気のサイン」と「介護中の負担」の両方を考える
老犬のむくみは、同じ姿勢や車椅子生活、運動量の低下、冷えなどによって起こることがあります。
一方で、心臓病、腎臓病、肝臓病、低たんぱく、腹水、肺水腫、アレルギーなど、治療が必要な病気が関係している場合もあります。
そのため、まずは「どこが、いつ、どのくらいむくむのか」を観察し、呼吸の変化、咳、食欲低下、ぐったり、お腹の張りなどがある場合は早めに動物病院へ相談してください。
マッサージや温めは、原因によっては助けになることもありますが、自己判断で強く揉むのは避けた方が安心です。
我が家のように、車椅子生活の中で局所的なむくみが出る場合は、当たる部分を柔らかくする、横になる時間を作る、やさしく温めるなど、小さな工夫で楽になることもあります。
老犬介護では、「病気を見逃さないこと」と「毎日の負担を少しでも減らすこと」の両方が大切です。
愛犬の体をよく触り、いつもの状態を知っておくことが、早めに気づく一番の助けになると思います。

参考文献・サイト
・AVMA Senior pets
https://www.avma.org/resources-tools/pet-owners/petcare/senior-pets
・PS保険 犬の腹水の原因とはどんな病気?病院に連れて行くべき症状を獣医師が解説
https://pshoken.co.jp/note_dog/dog_symptom/case035.html
・アニホック動物医療センター新横浜病院 犬のむくみ・浮腫|受診すべきサインと新横浜での検査の流れ
https://yokohama.anihoc.com/column/%E7%8A%AC%E3%81%AE%E3%82%80%E3%81%8F%E3%81%BF%E3%83%BB%E6%B5%AE%E8%85%AB%EF%BD%9C%E5%8F%97%E8%A8%BA%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%8D%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%A8%E6%96%B0%E6%A8%AA%E6%B5%9C%E3%81%A7/
・ヒルズペット シニア犬に起こりやすい健康トラブル8つ
https://www.hills.co.jp/dog-care/healthcare/common-senior-dog-health-problems
・かすみペットクリニック 下痢やむくみが続くときは要注意|犬のタンパク漏出性腸症とは?
https://kasumi-petclinic.com/column/4012/
・アニコム損保 犬の肺水腫|症状は? 治療費はどれくらい? 予防法はある?【獣医師監修】
https://www.anicom-sompo.co.jp/inu/5060.html
・日本動物医療センター 犬のリハビリ自宅でできる3つのコミュニケーション
https://jamc.co.jp/dog_colum/607/
・ごとふ動物病院 おデブじゃない!体のむくみ
https://cdb.jp/doctor/blog/1426-2/


