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老犬の足腰がおぼつかなくなってきたら、首輪からハーネスへ、そして後ろ足用・全身用の介護ハーネスへと、今の状態に合わせて段階的に切り替えていくのがおすすめです。
介護ハーネスがすぐ手元にない時は、バスタオルで作る簡易ハーネスで一時的に支えることもできます。
足が弱っても、犬は外が好き。その「歩きたい」気持ちを支える最初の道具として、ハーネスを上手に取り入れて、散歩をいつまでもあきらめないでいたいですね。
我が家の柴犬は、若い頃から散歩はハーネス派でした(ひっぱり癖があったため)。年齢とともに後ろ脚が弱り、後ろ脚用の介護ハーネスを検討しているうちに前脚もおぼつかなくなってきたため、全身用ハーネスを使うことにしました。
服が苦手な子なので、はじめて着せた日はその場で固まってしまいました。それでも「これを着るとお外に行ける」と覚えてくれたのか、だんだん着たまま歩いてくれるように。外の匂いを嗅ぎながら一歩ずつ進む姿を見ると、こちらまで幸せな気持ちになります。
この記事では、老犬のハーネスを切り替えるタイミング、後ろ足用・前足用・全身用の違いと選び方、バスタオルでの作り方、歩く前のマッサージ、我が家の体験談、おすすめの介護ハーネスまでまとめます。
※この記事は一般的な情報提供であり、診断や治療の代わりになるものではありません。歩き方が急に変わった、痛がる様子があるといった場合は、かかりつけの獣医師さんにご相談ください。
この記事でわかること
・老犬のハーネスを切り替える3つの段階とタイミング
・後ろ足用、前足用、全身用、着たまま寝られる介護ハーネスの違い
・歩行補助ハーネスで支える時のコツと注意点
・介護ハーネスの選び方(サイズ・素材・持ち手・排泄のしやすさ)
・バスタオルで介護ハーネスを手作りする方法
・散歩前にできる足の屈伸マッサージと肉球マッサージ
・老犬におすすめの介護用ハーネス
老犬のハーネスは「今の足腰の状態」に合わせて段階的に選ぶ
老犬の歩行サポートは、実際の足腰の状態に合わせて少しずつ道具を変えていくと、犬にも飼い主さんにも負担が少ないでしょう。
大まかな流れは、次の3段階です。
| 段階 | 愛犬の様子 | 使う道具 |
|---|---|---|
| ① | 歩けるけれど、ふらつきが出てきた | 首輪から、胴体につけるハーネスへ切り替え |
| ② | 立ち上がりにくい、転ぶ、よろける | 後ろ足用・前足用・全身用の介護ハーネス(歩行補助ハーネス) |
| ③ | ハーネスで支えても歩くのが難しい、下半身に麻痺がある | 犬用車椅子 |
介護ハーネスを買うまでのつなぎや、ちょっとした補助には、バスタオルで作る簡易ハーネスも使えます。柔らかいバスタオルであれば、犬も不快感を覚えにくいと思います。
どの段階でも大切にしたいのは、愛犬ができるだけ自分の足で歩けるように支えること。全部を手伝うのではなく、できない部分だけをそっと支えてあげましょう。
老犬に介護ハーネスが必要になるサイン
次のような様子が増えてきたら、ハーネスを見直すタイミングかもしれません。
・散歩中によろける、尻もちをつく
・転んだあと、自力で起き上がれずにもがく
・足の甲を擦るように歩く(ナックリング)
・排泄の姿勢を保ちにくい
我が家の場合、足腰の変化はこんな順番で進みました。
①歩けるけれど、立ち上がりが難しくなる(後ろ脚に力が入りにくい
②歩行中に転ぶことが増え、転ぶと起き上がれずにもがく
③歩いている途中でよろけたり、尻もちをついたりする
④後ろ脚にナックリングが出る
⑤前脚にもナックリングが見られるようになる
ナックリングが出始めた頃から、歩いていると途中から少し億劫そうにしていました。それでも外に出ると鼻をひくひくさせて、うれしそうにしている。その姿を見て、「歩く」を支える道具をきちんと選んであげようと思いました。
ふらつきが出始めた段階で一度ハーネスを見直しておくと、愛犬に余計な負担をかけず安心でしょう。
立てない・後ろ足に力が入らない時の原因と対処法はこちら。

ナックリングの原因とケア方法はこちら。

第1段階|ふらつき始めたら、首輪からハーネスに切り替える
筋力が落ちて、歩く時にふらつくようになってきたら、リードをつける場所を首輪からハーネスに切り替えましょう。
首輪よりハーネスが老犬の体にやさしい理由
首輪はリードの力が首に集中しやすく、引っ張ったり、よろけて急にリードが張ったりすると、首や気管に負担がかかります。シニア犬の中には、気管が弱くなっている子や、首まわりに痛みを抱えている子もいます。
一方、ハーネスは胴体に装着するため、リードの力を体の広い範囲でリードの力を受け止められます。体全体で支えられるので、ふらついた時にもサッと支えやすく、首輪より抜けにくいのも安心できるポイントです。
参考:【獣医師が解説】犬につけるのは首輪?それともハーネス? それぞれのメリット・デメリットとは|ワンペディア リードとハーネス、どうやって選べばいいの?|イース動物病院
咳が出やすい子や、気管虚脱が気になる子は、こちらも参考にしてみてください。

ハーネスを使い始める前に確認したいこと
使い始める前に、ハーネスが当たる肩まわり・胸・脇・お腹などを手のひらでやさしく触って、痛がる場所や傷、腫れがないか確認しておきましょう。足を軽く曲げ伸ばししたり、足裏や肉球の間を見たりして、気になる様子があれば獣医師さんに相談すると安心です。
参考:介護のノウハウ「散歩のサポート」|老犬ケア
首輪に慣れている子は、ハーネスを嫌がることもあります。いきなり散歩で使うより、まずは室内で短い時間だけ着けてみるところから始めましょう。慣らし方のコツは、後半の「介護用ハーネスを嫌がる・固まってしまう時は」で紹介します。
老犬の散歩の考え方や、無理のない続け方はこちら。

第2段階|自力で立ちにくくなったら、介護用ハーネスで体を支える
足腰が弱って自力ではなかなか立てない、歩いてもすぐによろけてしまう。そんな時は、飼い主さんが持ち手で体を支えられる介護用ハーネス(歩行補助ハーネス、ウォーキングベルト)に切り替えましょう。
介護用ハーネスは、支える部位によって大きく4つのタイプに分かれます。
後ろ足用ハーネス

出典:楽天 ペティオ zuttone ずっとね 老犬介護用 歩行補助ハーネス 後足用
後ろ足の踏ん張りが弱くなってきた子に向いています。腰まわりを支えられるので、立ち上がりや排泄時の姿勢、短い距離の散歩を手伝いやすくなります。
老犬は後ろ足から弱ることが多いといわれていて、最初に候補になりやすいタイプです。
前足が元気なうちは、後ろ足用だけだと犬がどんどん先へ進んでしまうこともあります。いつものハーネスとリードを組み合わせると、歩く方向をコントロールしやすくなります。
参考:ここに注意!高齢犬用介護ハーネス選び(歩行補助・寝たきり)|PINSTUDIO
ララウォーク よくあるご質問|トンボ公式オンラインモール
前足用ハーネス

出典:Petio オンライン
前足の筋力が落ちてきた、重心が前に寄って前のめりになる、つまずきやすいという子向けのタイプです。胸から前足の付け根を支えるものが多く、頭や前足を通して着るタイプもあるため、着せやすさもあわせて確認しておくと安心です。
前足が弱る原因とケアについてはこちら。

全身用ハーネス

前足と後ろ足の両方に不安がある、体全体が左右に揺れる、姿勢を保ちにくいという子向けです。体全体を支えるので安定感があり、体重を広い面で受け止められるぶん、犬の体にも、飼い主さんの腕や腰にも負担がかかりにくいのが魅力です。
我が家は、後ろ脚用を検討しているうちに前脚もおぼつかなくなってきたので、前脚・後ろ脚のどちらの弱りにも対応できる全身用を最初から選びました。
着たまま寝られるタイプ

出典:楽天
寝たきりに近くなってきた子や、寝返り・体位変換の補助が必要な子には、着たまま過ごせるタイプがあります。長い時間身につけることになるので、通気性、肌あたり、床ずれへの配慮、洗いやすさをよく見て選びましょう。
寝たきりになった時の介護全般については、こちらでまとめています。

歩行補助ハーネスは「持ち上げすぎない」が基本
介護ハーネスは、自分で歩く動きにそっと力を貸すための道具です。ついつい力が入って気がついたら足が持ち上がってしまっていた、ということになりがちですが、使用時は以下の点を意識しましょう。
・足裏がしっかり地面につく程度の力加減で、愛犬の歩くペースに合わせて進む
・急に引っ張ったり、持ち上げたりしない
参考:zuttone(ずっとね)住まい|ペティオ
「アシスタントバンド ご注意(免責)」|PINSTUDIO
持ち手は、真上ではなく進行方向の少し前へ向けて、軽く引くように持つのがコツです。体が前へ進む流れを後押しできるので、犬も一歩を踏み出しやすくなります。
介護用ハーネスの選び方
介護ハーネスは、見た目のかわいさよりも機能性と使いやすさで選ぶのがおすすめです。毎日使う道具だからこそ、愛犬の体にも、支える飼い主さんにもやさしいものを選びましょう。
サイズは「胸まわり」の実寸で。調整できるタイプが安心
犬種や体重の目安だけで選ばず、必ずメジャーで胴回りを測りましょう。介護ハーネスのサイズ選びは胸まわりが基本で、前足の付け根から胸まわりのいちばん太いところを測ります。 大きすぎるとずれて支えにくく、小さすぎると食い込みや擦れの原因になります。
参考:ここに注意!高齢犬用介護ハーネス選び(歩行補助・寝たきり)|PINSTUDIO
老犬は運動量が減ると、飼い主さんの想像以上に胴まわりが細くなっていることがあります。購入前だけでなく、使い始めてからもときどき測り直すといいです。 胴まわりや持ち手の長さを調整できるタイプなら、体型の変化や、家族それぞれの身長にも合わせやすくなります。
素材は肌にやさしく、洗いやすく乾きやすいもの
老犬は皮膚がデリケートになりやすく、擦れや蒸れが赤みにつながることがあります。肌にあたる部分がやわらかく、通気性のよい素材を選びましょう。
また、介護ハーネスは、よだれや排泄物で汚れることも多いもの。気軽に洗えて乾きやすいと、毎日でも清潔を保ちやすくなります。
季節でいえば、夏は通気性がよく乾きやすいメッシュ素材、冬はハーネス自体がちょっとした防寒になる、厚みのあるやわらかい素材だと快適に過ごしやすいです。
参考:ここに注意!高齢犬用介護ハーネス選び(歩行補助・寝たきり)|PINSTUDIO
着脱しやすく、着たままでも過ごしやすいか
足を上げるのがつらい子に、足を大きく持ち上げて通すタイプは負担になることがあります。頭を通すのが苦手な子なら、バックルで留めるタイプの方が使いやすい場合もあります。面ファスナーは調整しやすい反面、毛を巻き込みやすいので、長毛やダブルコートの子は注意しましょう。
状態が進むと、室内でも着けたまま過ごす時間が長くなると思います。着たままでも犬が不快感なく、普段通りに休んだり寝たりできる形かどうかも、見ておきたいポイントです。
おしっこがかかりにくい形か
散歩やトイレの補助で使うなら、着けたまま排泄できるかも大切です。特に男の子は、お腹側や股の部分に生地がかかっていると、おしっこで濡れてしまうことがあります。
これは個体差がかなり大きい問題だと感じています。
我が家の愛犬(男の子)も、使っていたハーネスで股部分が濡れてしまうことがありました。排泄の位置と生地の位置関係を、購入前に商品写真やサイズ表でよく確認したつもりでも、実際に着てみないとわからなかったりします。幸い、我が家で使っているハーネスは洗いやすく汚れも落ちやすく乾きやすいもので、洗えば翌朝には乾き、翌日の散歩には使えるため、汚れてしまった時はそのように対処していました。

持ち手の長さは、体格と飼い主さんの姿勢で選ぶ
小型犬は持ち手が短いと、飼い主さんがずっと前かがみになり、腰を痛めやすくなります。肩にかけられるくらいの長めの持ち手があると、飼い主もラクです。
一方、中型・大型犬は長い持ち手だと持ち上げきれないこともあるため、しっかり握れる短めの持ち手の方が姿勢を補助しやすいです。
参考:ここに注意!高齢犬用介護ハーネス選び(歩行補助・寝たきり)|PINSTUDIO
値段と「試せるかどうか」もチェック
介護用品は、実際に使ってみないと愛犬に合うか分かりません。高価なものを買って合わなかったら…と思うと、なかなか踏み切れないですよね。「レンタルで試せたらいいのに」と感じる方もいると思います。
そんな時は、次のような方法で「合わなかったらどうしよう」という不安を小さくできます。
・まずはお手頃価格のもので試してみる
・店頭で試着できるお店を利用する(←一番安心)
・返品やサイズ交換の条件を、購入前に確認しておく
バスタオルで介護ハーネスを手作りする方法
介護ハーネスが届くまでのつなぎや、少し立たせたい時のちょっとした補助なら、家にあるバスタオルで簡易ハーネスを作れます。
用意するもの
・バスタオル1枚(小型犬なら、細長いスポーツタオルやフェイスタオルでも)
・はさみ(後ろ足を通すタイプを作る場合)
作り方
1.バスタオルを縦半分に折り、折り目を助けてから開く。
折り目部分には印をつけておくとわかりやすいです。
2.折ったタオルを犬の腰にかけて、中心の線が犬の背骨の上に来るようにする。
3.足を通す穴の位置に印をつける
4.印をつけた場所をハサミで切る。
5.タオルを1の状態に広げ、穴に足を通す。穴の大きさを調整する。
株式会社キャリカレ(https://www.c-c-j.com/)『動物介護士&動物介護ホーム施設責任者』講座 シニア期の基礎知識 シニア期からの運動 より参照
お腹周りをタオルで支えるだけの方法もありますが、こちらのタイプの方が左右にずれにくく、腰まわりを支えやすいので安心です。
バスタオルハーネスを使う時の注意点
・お腹を強く締めつけない
・無理に持ち上げない(足が浮くと腰に負担がかかります)
・左右にブレやすいため、大型犬は補強が必要になることがある
・使うのは短時間にして、使ったあとは肌が赤くなっていないか確認する
参考:ここに注意!高齢犬用介護ハーネス選び(歩行補助・寝たきり)|PINSTUDIO
老犬にはどんなハーネスが必要?補助や介護に役立つ方法を解説|COCOペットジャーナル
バスタオルハーネスのメリットは、汚れてもすぐ洗えるところです。ただ、力が一点に集中しやすく、毎日の散歩や排泄の補助に使い続けるには不向きだと思います。日常的に支える必要が出てきたら、体に沿って広い面で支えられる介護ハーネスを検討してみてください。
散歩の前にマッサージ|筋肉をほぐして転倒やけがを防ぐ
老犬は関節や筋肉が固まりやすく、いきなり体を動かすと痛めてしまうことがあります。散歩前のマッサージは、人間でいう準備運動のようなもの。体をほぐしてから歩き出すと、転倒やけがの予防につながります。
参考:高齢犬・高齢猫の介護(リハビリ・マッサージ)|金乃時アニマルクリニック
足の屈伸マッサージ
- 首からお尻に向かって、手のひら全体で毛並みに沿ってゆっくりなでる
- 足の付け根(肩・腰)から足先に向かって、指で小さな円を描くようにほぐす
- 前足・後ろ足をそれぞれ、やさしく曲げたり伸ばしたりする
犬の関節は、前後の縦方向に曲げ伸ばしする動きが基本です。曲げ伸ばしをする時は体に対してまっすぐ動かし、外側や内側にひねらないようにしましょう。動かしにくいところを無理に動かすのも避けてください。
参考:シニア犬のリハビリ〜前編〜|アリアスペットクリニック
高齢犬・高齢猫の介護(リハビリ・マッサージ)|金乃時アニマルクリニック
肉球マッサージ
肉球の間を広げるように、足裏をやさしく刺激します。人の親指の腹で軽く押したり、なでたりする程度で十分です。
痛がる、嫌がる様子がある時は無理に続けないでください。椎間板ヘルニアや関節の病気がある子は、始める前に獣医師さんへ相談すると安心です。
参考:シニア犬のリハビリ〜前編〜|アリアスペットクリニック
高齢犬・高齢猫の介護(リハビリ・マッサージ)|金乃時アニマルクリニック
後ろ足や寝たきりの子にもできるマッサージは、こちらで詳しく紹介しています。

介護用ハーネスを嫌がる・固まってしまう時は
我が家の柴犬は、もともと服や面積の広いハーネスが苦手でした。全身用ハーネスを初めて着せた日は、その場でピタッと固まって動かなくなってしまいました。
慣れるまでの間は、使い慣れた普段のハーネスで外に出て、少しだけ立ったり、抱っこで草花の匂いを嗅がせたりして過ごしていました。花を鼻先に近づけると、胸いっぱいに匂いを吸い込んで、そのあと「歩きたい」と言うように手足をばたつかせたことも。地面に下ろすと、自分の足で少し歩いてくれました。
そんな日を重ねるうちに、「これを着るとお外に行ける」とつながったのか、全身用ハーネスを着ても歩いてくれるようになりました。犬にとって、外の空気や匂いは何よりのごほうびなのだと思います。
慣らす時は、次のようなことを意識してみてください。
・ハーネスを目に入る場所に置き、においを嗅いだり興味を示したりしたらほめる
・最初は室内で短い時間だけ着けて、少しずつ時間を延ばす
・着けたらおやつ、着けたら散歩、と「楽しいこと」とセットにする
・ハーネスが必要になる前から、早めに慣らしておく
参考:老犬にはどんなハーネスが必要?補助や介護に役立つ方法を解説|COCOペットジャーナル
痛くない老犬のハーネス選びのポイントやオーダーメイドのメリット・デメリット|Sabine’s Dog Vacation

第3段階|ハーネスで支えきれなくなったら、車椅子という選択肢も
我が家の愛犬は、全身用ハーネスでの散歩を楽しめるようになって束の間、歩いている時に頭が下がり気味になってきて、鼻先が地面につきそうな状態になりました。こうなると、全身用ハーネスでも体を支えるのが難しくなってきます。
また、その時は寝たきり一歩手前のような状態になっていて、歩く時はハーネスに体重を預けきるように。支える飼い主の腕も、なかなかの筋トレ状態でした。
それでも、うちの子はやっぱりお外が好き。横になっていても、自分で歩きたい気持ちがあるのか、もがいて起き上がろうとします。その気持ちに応えたくて、あご乗せ付きの車椅子を取り入れることにしました。
車椅子は、下半身が麻痺してから使うものというイメージがあるかもしれません。でも、麻痺する前からリハビリとして使われることもあります。ハーネスで支えるのが難しくなってきたら、次のステップとして検討してみてください。
老犬の車椅子のメリット・デメリットはこちら。

購入前に試したい場合は、車椅子レンタルという方法もあります。

19歳の愛犬に車椅子を使って感じたことは、こちらにまとめています。
https://myheartpuppy.jp/senior-dog-wheelchair-benefits/
老犬におすすめの介護用ハーネス
ここからは、愛犬の状態別に候補にしやすい介護ハーネスを紹介します。
体全体をしっかり支えたいなら「PINSTUDIO アシスタントバンド」

出典: PINSTUDIO
PINSTUDIO(ピンスタジオ)の「アシスタントバンド」は、2001年に誕生した犬用介護ハーネスのロングセラーです。
はじまりは、老化で歩くのが難しくなった愛犬のために、開発者が浴衣の生地で手作りした歩行補助具だったそうです。そこから北海道盲導犬協会や獣医師さんの協力を得て試作と改良を重ね、国内の職人さんが一つひとつ縫製しています。愛犬のために生まれた道具だからこそ、細かなところまで使う側の目線で作られているのが伝わってきます。 主な特長は次の通りです。
・内側は通気性・吸水性・速乾性・抗菌消臭性に優れたダクロン素材。肌にあたる部分は立体ハニカム(ハチの巣)構造で、厚みと弾力で床ずれを防ぐ設計
・胸まわりのファスナーが2列あり、外側で留めると約5cmゆったりする。室内や寝ている時はリラックスしたいなど、状況に合わせて着心地を調整できる
・弱った体にファスナー金具が直接当たらない仕立て
・着たまま寝られるので、寝返りや移動の補助にも使える
・手洗いで洗濯できる(乾燥機は不可)
ステージに合わせて、持ち手のタイプが選べるのもありがたいです。
| タイプ | 主なサポート | 向いている子 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| 持ち手1 | 前足 | 中型〜大型犬 | 13,200円 |
| 持ち手1+1 | 前足+後ろ足(後ろ足用は取り外し可) | 小型〜大型犬 | 21,780円〜(国産デニムは24,860円〜) |
| 持ち手2 | 全身(着丈が長いタイプ) | 中型〜大型犬、胴の長い犬種 | 16,500円(国産デニムは18,920円〜) |
サイズは、胸まわり27cm前後の小型犬から、90〜95cmの大型犬まで展開されています。持ち手1+1の小型犬サイズには、長めの補助持ち手も付いています。ミニチュアダックスフンドやコーギーなど胴の長い犬種は、持ち手2タイプが推奨されています。
参考:犬の介護ハーネス/歩行補助ハーネス アシスタントバンド|PINSTUDIO
アシスタントバンド タイプ別犬種例とサイズ表|PINSTUDIO
後ろ足だけのハーネスはなく、後ろ足用のパーツは本体とセットで使う仕様となります。
介護ハーネスの中では価格が高めではありますが、失敗するリスクを大きく減らすことができます。それは「試着」です。東京にあるピンスタジオの店頭では試着ができるようです。
使用後の返品は代金の50%返金、サイズ交換は手数料5,500円で対応可能とのことですが、通える方は一度体に合わせてみると安心ですね。
ピンスタジオのハーネスが向いているのは、こんな子・飼い主さんです。
・前足も後ろ足も弱ってきて、体全体をしっかり支えたい
・着たまま過ごす時間が長く、肌あたりや床ずれが気になる
・寝たきりになっても使える一着を、長く使いたい
一方、「まずはお手頃価格で試したい」という場合は、次に紹介するような手に取りやすい価格のハーネスから始めるのもよいと思います。
我が家で使っていた「melogold 介護用ハーネス」

出典:楽天
我が家で使っていたのは、獣医師さん監修のmelogoldの全身用介護ハーネスです。 こちらのハーネスの特徴です。
・バックル部分で長さを調整できるため、体にフィットさせやすい
・洗いやすく、乾きやすい
・前脚と後ろ脚を、持ち手1本で支えられる
・コスパが良い(執筆時:2000円台)
価格も比較的お手頃なので、「介護ハーネスを試してみたいけれど、うちの子に合うか分からない」という段階でも手に取りやすいと思います。
ただ、我が家の男の子の場合は、おしっこの時に股部分が濡れてしまうことがたびたびありました(個体差がとても大きいと思います)。洗ってすぐ乾くのでそこまで大きな問題ではなかったですが、オムツをしている子や女の子なら気になりにくいかもしれませんが男の子は排泄時の濡れやすさを確認しておきましょう。
後ろ足が弱ってきた犬には「ペティオ ずっとね 歩行補助ハーネス 後足用」

出典:楽天
後ろ足の踏ん張りが弱くなってきた子には、後ろ足用の歩行補助ハーネスが使いやすいです。
ペティオの「ずっとね」シリーズは、シニア犬の暮らしをサポートする介護用品のシリーズで、前足用・後足用など状態に合わせて選べます。後足用は、立ち上がりや排泄時の腰の支え、短い距離の歩行補助に使いやすいタイプです。
前足も後ろ足も不安なら「ポンポリース 3WAYケアハーネス」

出典:楽天
前足も後ろ足も不安がある場合は、全身を支えられるタイプが候補になります。
ポンポリースの3WAYケアハーネスは、前足用・後足用・全身用として使い分けられるタイプです。「後ろ足だけだと思っていたら、前足もふらついてきた」という時にも、状態に合わせて使い方を変えられるのは便利だし、安心です。
寝たきりに近い犬には「着たまま寝られるハーネス」

出典:楽天
寝たきりに近い状態や、体位変換が必要な子には、着たまま寝られるタイプの介護ハーネスが候補になります。
アイアンバロンの「着たままねんね」系の商品は、寝たままの起き上がりや体位変換をサポートする介護用品として紹介されています。長時間着けることを考えると、通気性やクッション性、洗いやすさを重視して選びたいタイプです。
まとめ|ハーネスは、愛犬の「歩きたい」を支える最初の一歩
老犬のハーネスは、今の足腰の状態に合わせて段階的に選ぶのがおすすめです。
・ふらつき始めたら、首輪から胴体で支えるハーネスへ
・自力で立ちにくくなったら、後ろ足用・前足用・全身用の介護ハーネスへ
・ハーネスで支えきれなくなったら、車椅子という次のステップへ
介護ハーネスがすぐに用意できない時は、バスタオルの簡易ハーネスでつなぐこともできます。ただし、毎日使うなら体に合った専用品の方が、犬にも負担が少なく、飼い主さんもラクです。
まずは今日、愛犬の歩き方をじっくり見て、我が子が快適に歩けているか確認してあげましょう。散歩の前に少し体をほぐしてあげるのもおすすめです。
足が弱っても、犬は外が好き。外の匂いを嗅いで、自分の足で一歩を踏み出せた時の愛犬のうれしそうな顔は、飼い主にとっても何よりの幸せです。大事な愛犬と少しでも長く一緒に散歩できるように、ハーネスで体と気持ちを支えてあげてくださいね。
参考文献・サイト
・【獣医師が解説】犬につけるのは首輪?それともハーネス? それぞれのメリット・デメリットとは|ワンペディア https://wanpedia.com/kubiwa-or-douwa/
・リードとハーネス、どうやって選べばいいの?|イース動物病院 https://omoriys.com/blog/6677/
・高齢犬・高齢猫の介護(リハビリ・マッサージ)|金乃時アニマルクリニック https://www.kinnotokianimalclinic.com/blog/315
・シニア犬のリハビリ〜前編〜|アリアスペットクリニック
https://www.arias-petclinic.com/post/%E3%82%B7%E3%83%8B%E3%82%A2%E7%8A%AC%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%83%8F%E3%83%93%E3%83%AA%E3%80%9C%E5%89%8D%E7%B7%A8%E3%80%9C
・介護のノウハウ「散歩のサポート」|老犬ケア https://www.rouken-care.jp/knowhow/walk/
・ここに注意!高齢犬用介護ハーネス選び(歩行補助・寝たきり)|PINSTUDIO https://pinstudio-pet.com/blogs/column/old-dog-harness
・犬の介護ハーネス/歩行補助ハーネス アシスタントバンド|PINSTUDIO https://pinstudio-pet.com/pages/assistantband
・アシスタントバンド タイプ別犬種例とサイズ表|PINSTUDIO https://pinstudio-pet.com/blogs/column/assistantband-size
・zuttone(ずっとね)住まい|ペティオ https://www.petio.com/zuttone/feature/house/
・ララウォーク よくあるご質問|トンボ公式オンラインモール https://www.tombow-shop.jp/shop/e/ec70e05/
・老犬にはどんなハーネスが必要?補助や介護に役立つ方法を解説|COCOペットジャーナル https://www.cocopet.jp/journal/senior/320/
・痛くない老犬のハーネス選びのポイントやオーダーメイドのメリット・デメリット|Sabine’s Dog Vacation https://dog-vacation.art/pages/painfree-dog-harness
なお、動物介護の基礎は、株式会社キャリカレ(https://www.c-c-j.com/)の『動物介護士&動物介護ホーム施設責任者』講座で学んだ内容をもとにまとめています。


