老犬になると、散歩中に立ち止まる、歩くのが遅くなる、帰りたがらない、逆にまだまだ散歩に行きたがるなど、若い頃とは違う悩みが増えてきますよね。
結論から言うと、老犬にも散歩は大切です。
ただし、若い頃と同じ距離や時間を歩かせる必要はなく、その子の体調に合わせて「短くする」「回数を分ける」「カートや抱っこを使う」という考え方が大切になります。
歩けなくなってきた老犬でも、外の空気を吸う、においを嗅ぐ、日光を浴びるだけで、気分転換になることがあります。
散歩は「しっかり歩くこと」だけではありません。
この記事では、老犬の散歩時間の目安、立ち止まる時の理由、15歳以上の散歩の考え方、カートや介助ハーネスなどのグッズ、我が家の19歳柴犬の実体験も交えてまとめます。
※この記事は、動物病院・ペット関連企業・獣医師さん監修記事などの情報を参考にしながら、飼い主目線で分かりやすくまとめています。参照元はこちら。
この記事でわかること
・老犬にも散歩が必要と言われる理由
・犬が15歳以上になった時の散歩時間の考え方
・老犬が散歩中に立ち止まる、歩かない時の理由
・老犬が散歩に行きたがる時の注意点
・1時間の散歩は長すぎるのか
・カート、介助ハーネス、車椅子、抱っこ散歩の使い分け
・老犬の散歩で気をつけたい体調変化
・19歳柴犬との散歩の実体験
老犬の散歩は「歩ける範囲で続ける」が基本
老犬の散歩は、無理に長く歩かせる必要はありません。
でも、完全にやめてしまうより、その子に合う形で続けることが大切だと言われています。
散歩には、足腰を動かすこと以外にも、いろいろな意味があります。
・筋力や体力の維持
・肥満予防
・気分転換
・ストレス発散
・外のにおい、音、光による刺激
・飼い主さんとのコミュニケーション
・生活リズムを整えるきっかけ
老犬になると、寝ている時間が増えたり、家の中で過ごす時間が長くなったりします。
でも、ずっと室内だけで過ごしていると、刺激が少なくなり、気持ちも体もこもりがちになることがあります。
うちの19歳の柴犬も、若い頃から散歩が大好きでした。
18歳までは、片道2km弱の公園まで歩くこともあり、帰りは上り坂でも自分の脚で帰っていました。気持ちのいい夕方には、小走りになることもありました。
19歳になってからは足腰の衰えが急に進み、外に出ても脚が動かない日があります。
それでも、抱っこで外へ出て外の匂いを嗅いだり、音を聞いたりするだけで、家の中とは違う表情をすることがあります。
胸いっぱいに外の空気を吸って体がゆっくり膨らんでいって、フーッと息を吐き切って。抱っこしているとそんな深い呼吸を感じます。
だから私は、老犬の散歩は「どれだけ歩けたか」よりも、外の時間をどう楽しめたかが大切だと思っています。

老犬の散歩時間の目安は?15歳以上なら短く分けるのがおすすめ
老犬の散歩時間は、年齢だけで決めるのではなく、体調・持病・足腰の状態・散歩後の疲れ方を見て調整するのが基本です。
老犬の場合は、1回の散歩を短めにして、無理のない範囲で1日2〜3回に分けてあげると負担を抑えやすいです。
たとえば、1回10分程度の短い散歩を、朝・夕・夜などに分けるイメージです。
ただし、これはあくまで目安です。
15歳でも元気に歩く子もいます。
5分で疲れる子もいます。
1時間歩いても平気な子もいれば、10分でも帰宅後にぐったりする子もいます。
大切なのは、「何歳だから何分」と決めることではなく、散歩後の様子を見ることです。
・帰宅後にぐったりしていないか
・呼吸が荒くなりすぎていないか
・足を引きずっていないか
・翌日まで疲れが残っていないか
・散歩を嫌がるようになっていないか
こうした様子がある場合は、散歩時間や距離を短くした方がよいことがあります。
逆に、元気があり、散歩後も普段通り過ごせるなら、無理に急激に減らす必要はない場合もあります。
前足が弱ってつまずく時の注意点についてはこちら。

老犬の散歩は1時間だと長すぎる?
老犬にとって1時間の散歩が長すぎるかどうかは、その子の状態によります。
若い頃からよく歩いていて、足腰も元気で、散歩後も疲れすぎない子なら、1時間歩ける場合もあると思います。
ただ、シニア期に入って体力や筋力が落ちている場合、1回で1時間歩くのは負担になることがあります。
特に注意したいのは、次のような場合です。
・途中で何度も立ち止まる
・帰宅後にぐったりする
・散歩の翌日に歩きにくそうにする
・足を引きずる
・呼吸が荒くなる
・散歩に行きたがらなくなる
このような様子があるなら、1時間を1回で歩くより、20分を2回、10分を3回のように分ける方が合うかもしれません。
うちの犬は比較的足腰が強く、18歳までは長めの散歩を楽しめていました。
でも19歳になってからは、同じ距離を歩くのは難しくなりました。
以前できていたことができなくなるのは、飼い主としても少し寂しいです。
でも、今の体に合わせて散歩を変えていくことも、老犬との暮らしでは大切なのだと思います。

老犬が散歩中に立ち止まる理由
老犬が散歩中に立ち止まる理由は、ひとつではありません。
「年を取ったから仕方ない」と思ってしまいがちですが、痛みや病気が隠れていることもあります。
考えられる理由には、次のようなものがあります。
・体力が落ちて疲れやすくなった
・後ろ足の筋力が落ちている
・関節や腰に痛みがある
・肉球や爪に違和感がある
・心臓や呼吸器に負担がかかっている
・目が見えにくく、不安を感じている
・暑さや寒さがつらい
・気分が乗らない
・帰り道や特定の場所に不安がある
とくに、急に歩かなくなった、足をかばう、触ると嫌がる、呼吸が荒い、ふらつくなどがある場合は、無理に歩かせず、動物病院で相談した方が安心です。
老犬の歩き方の変化については、こちらの記事でもまとめています。

ナックリングのように、足先を返せず甲をこするように歩く場合はこちらも参考にしてください。

老犬が散歩で歩かない時はどうする?
老犬が散歩で歩かない時は、まず「歩きたくない理由」を探すことが大切です。
痛みや体調不良がありそうな場合は、無理に歩かせない方が安心です。
足を引きずる、腰が落ちる、呼吸が荒い、座り込んで動かない、表情がいつもと違うなどがあれば、その日の散歩は切り上げて様子を見てください。
一方で、体調は悪くなさそうだけれど気分が乗らないだけ、という日もあります。
その場合は、こんな工夫があります。
・少し抱っこしてから下ろしてみる
・家の前だけ出てみる
・好きな公園までカートで行って少し歩く
・おやつで軽く誘導する
・いつもより短いコースにする
・無理に進まず、におい嗅ぎだけ楽しませる
老犬になると、歩くスイッチが入るまでに時間がかかることがあります。
家の中では寝てばかりでも、外に出たら急に歩き出すこともあります。
ただし、リードを強く引っ張ったり、叱って歩かせたりするのは避けましょう。
散歩そのものが嫌な時間になってしまうと、次からさらに行きたがらなくなることがあります。

老犬が散歩から帰りたがらない時は?
老犬が散歩から帰りたがらない場合もあります。
「まだ歩きたい」「外が好き」「においを嗅いでいたい」という気持ちがあるのかもしれません。
散歩が大好きな子ほど、年を取っても外にいたがることがあります。
ただ、老犬の場合は、気持ちは元気でも体がついていかないことがあります。
行きは元気でも、帰り道で疲れて歩けなくなることもあります。
帰りたがらない子の場合は、最初から帰りの体力を残しておくことが大切です。
・家から離れすぎないコースにする
・途中で休憩を入れる
・帰りはカートや抱っこを使えるようにする
・暑い日、寒い日は早めに切り上げる
・「まだ行きたい」くらいで終わらせる
うちの犬も、若い頃から散歩が大好きで、帰りたがらないことがよくありました。
でも高齢になってからは、「本人は行きたそうでも、今日はここまで」と飼い主側で区切ることも増えました。
少し物足りないくらいで帰る方が、翌日もまた楽しく外に出られることがあります。
老犬が散歩に行きたがる時は、体調を見ながら付き合う
老犬が散歩に行きたがるのは、うれしいことです。
外が好きで、歩くことが好きで、飼い主さんとの時間を楽しみにしているのだと思います。
ただし、行きたがるからといって、若い頃と同じように歩かせる必要はありません。
老犬は、自分の限界をうまく調整できないことがあります。
楽しくて歩きすぎてしまい、帰宅後にどっと疲れることもあります。
散歩に行きたがる子ほど、飼い主さんが様子を見ながら調整してあげることが大切です。
・歩くペースをゆっくりにする
・短めの散歩を数回に分ける
・途中で休憩する
・疲れたら抱っこやカートに切り替える
・暑さ、寒さ、風、雨の日は無理しない
・散歩後の疲れ方を見て翌日の量を調整する
「行きたがるから大丈夫」ではなく、「行きたがる気持ちを大切にしながら、体への負担を減らす」という考え方が合っていると思います。

歩けない老犬でも散歩はできる
歩けなくなってきた老犬を見ると、「もう散歩は無理なのかな」と感じることがあります。
でも、散歩は歩くことだけではありません。
・抱っこで外に出る
・カートで近所を回る
・庭や玄関先で日光浴する
・公園までカートで行って、芝生の上で少し立つ
・介助ハーネスで数歩だけ歩く
・車椅子で外の空気を楽しむ
これも、老犬にとっては立派な散歩だと思います。
うちの19歳柴犬は、体調が良くて自分で歩けそうな時は介助ハーネスを使って少し歩きます。
難しそうな時は車椅子で散歩します。
それも負担になりそうな日は、抱っこで外に出ます。
通常は1日3回、少なくても1回は外に出るようにしています。
もちろん、体調が悪い日は無理しません。
歩けない日でも、外の空気を吸って、鳥の声を聞いて、風を感じるだけで、少し気分が変わるように見えることがあります。
老犬の車椅子については、こちらの記事でも詳しくまとめています。

老犬の散歩に役立つグッズ
老犬の散歩では、グッズをうまく使うことで、犬にも飼い主にも負担を減らしやすくなります。
介助ハーネス
足腰が弱ってきた老犬には、介助ハーネスがあると安心です。
背中や腰を支えられるタイプなら、ふらついた時に体を支えやすくなります。
立ち上がりや段差、ちょっとした歩行補助にも使いやすいです。
首輪だけだと首や気管に負担がかかることもあるため、老犬にはハーネスの方が合う場合があります。
介護ハーネスの選び方はこちらでまとめています。

ペットカート
老犬の散歩カートは、「歩けない犬だけのもの」ではありません。
行きは歩いて、帰りはカート。
公園まではカートで行って、芝生の上だけ歩く。
体調が不安な日は、カートで外の空気だけ楽しむ。
こういう使い方もできます。
特に、帰りに歩けなくなる不安がある子や、散歩は好きだけど体力が落ちてきた子には、カートがあると外出のハードルが下がります。
ペットカートの選び方はこちらの記事でまとめています。

スリング・抱っこグッズ
小型犬や抱っこできる体重の子なら、スリングも選択肢になります。
ただし、老犬は体勢によって呼吸や関節に負担がかかることもあるため、長時間使う場合は様子を見ながらが安心です。
犬用スリングについてはこちらでまとめています。

犬用車椅子
足腰が弱ってきた犬には、車椅子という選択肢もあります。
車椅子は「完全に歩けなくなってから使うもの」と考えがちですが、実際には、まだ少し足を動かせる時期に使うことで、外に出る楽しみを続けやすくなる場合があります。
もちろん、すべての犬に合うわけではありません。
体格、病気、性格、装着への慣れなどによって向き不向きがあります。
それでも、歩きたい気持ちがある子にとっては、大きな助けになることがあります。

老犬の散歩で気をつけたい体調変化
老犬の散歩では、出発前・散歩中・帰宅後の様子を見ることが大切です。
特に注意したいのは、次のような変化です。
・息が荒い
・咳が出る
・ふらつく
・足を引きずる
・片足をかばう
・急に歩くスピードが落ちる
・座り込んで動かない
・呼びかけへの反応が弱い
・帰宅後にぐったりする
・翌日まで疲れが残る
このような様子がある場合は、その日の散歩は無理に続けない方が安心です。
何度も見られる場合や、普段と明らかに違う場合は、動物病院で相談してみてください。
特に、呼吸が荒い、ふらつく、足をかばう、急に座り込むなどは、老化だけではなく、心臓・呼吸器・関節・神経などの不調が関係していることもあります。
老犬の息が荒い時の受診目安はこちらでもまとめています。

暑い日・寒い日の老犬散歩は無理しない
老犬は、若い頃より暑さや寒さの影響を受けやすくなります。
夏は熱中症のリスクがありますし、冬は寒暖差による負担が心配です。
夏の散歩では、次の点に気をつけたいです。
・早朝や夜の涼しい時間にする
・アスファルトの熱を確認する
・こまめに水分補給する
・無理に長く歩かせない
・暑い日は散歩を休む判断もする
冬の散歩では、次のような工夫があります。
・暖かい時間帯に出る
・急に外へ出さず、玄関などで少し慣らす
・必要に応じて防寒着を使う
・カート散歩ではブランケットを使う
・帰宅後は足先や体を冷やさないようにする
夏の散歩についてはこちらの記事でも詳しくまとめています。

老犬の散歩は「行かない日」があってもいい
老犬にも散歩は大切です。
でも、毎日必ず行かなければいけないわけではありません。
体調が悪い日、食欲がない日、呼吸が荒い日、足の調子が悪い日、暑すぎる日、寒すぎる日。
そんな日は、無理に外へ出なくてもいいと思います。
代わりに、室内でできることもあります。
・窓際で日光浴する
・部屋の中を少し歩く
・マットの上で立つ練習をする
・おやつ探しをする
・軽くマッサージする
・抱っこで玄関先だけ出る
散歩を休むことは、愛犬を甘やかすことではありません。
その日の体調を見て、無理をさせない判断をすることも、老犬には大切なケアです。

まとめ|老犬の散歩は「歩く距離」より「外の時間を楽しめるか」が大切
老犬にも散歩は大切です。
ただし、若い頃と同じように長く歩かせる必要はありません。
15歳、16歳、17歳、18歳、19歳と年齢を重ねるほど、体力や足腰の状態には個体差が大きくなります。
だからこそ、「何分歩くべきか」よりも、「その子にとって無理がないか」を見てあげることが大切です。
散歩中に立ち止まる。
歩きたがらない。
帰りたがらない。
まだまだ散歩に行きたがる。
歩けない日がある。
どれも、老犬との暮らしの中では起こりやすい変化です。
歩ける日は、ゆっくり歩く。
疲れたらカートに乗る。
足腰が不安なら介助ハーネスを使う。
歩けない日は抱っこで外に出る。
体調が悪い日は休む。
それでいいと思います。
散歩は、距離を稼ぐためのものではありません。
老犬にとっては、外の空気を吸うこと、においを嗅ぐこと、光を浴びること、飼い主さんと一緒に過ごすこと自体が、大切な時間になることがあります。
愛犬の今の体に合わせながら、無理のない形で、外の時間を続けていきましょう。
散歩前後に取り入れたい老犬の足腰マッサージについてはこちら。

参考文献・サイト
・にゅうた動物病院「シニア犬の散歩時間の適切な目安とは?|年齢・体調別の運動方法を解説」
https://nyuta-ahp.com/column/senior-dog-stroll/
・つだ動物病院「老犬や持病がある子の冬のお散歩」
https://tsuda-vet.com/%E8%80%81%E7%8A%AC%E3%82%84%E6%8C%81%E7%97%85%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E5%AD%90%E3%81%AE%E5%86%AC%E3%81%AE%E3%81%8A%E6%95%A3%E6%AD%A9/
・名古屋みらい動物病院「老犬にも大切なお散歩」
https://nagoyamirai.jp/%E8%80%81%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%82%82%E5%A4%A7%E5%88%87%E3%81%AA%E3%81%8A%E6%95%A3%E6%AD%A9/
・PEPPY「【動物介護のプロ 監修】シニア犬の介護特集(歩行のサポート編)」
https://www.peppynet.com/feature/id/388
・キュティア老犬クリニック「シニア犬・老犬にとって散歩や運動は」
https://cutia.jp/rouken-move.html
・アニコム損保 みんなのどうぶつ病気大百科「幸せなシニア世代のために(2)お散歩と食事編<犬>」
https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/1309/


