老犬介護が進んでくると、飼い主さん自身が外出できなくなることがあります。
買い物に行きたい。子どもの送迎をしなければいけない。病院や用事もある。
でも、愛犬が徘徊して転んだり、排泄で汚れたり、水やごはんに介助が必要だったりすると、ほんの少し家を空けるだけでも不安になりますよね。
結論から言うと、老犬介護で外出できない時は、「外出をゼロにする」よりも、外出の回数を減らす・時間を短くする・見守りや外部サービスを組み合わせることが大切です。
飼い主さんがすべてを抱え込んで限界になるより、愛犬の安全を守りながら、日常生活を回す方法を少しずつ作っていく方が、介護は続けやすくなります。
この記事では、老犬介護で外出できない時の現実的な対策を、我が家の実体験も交えてまとめます。
※この記事は、獣医師さんによる解説記事、老犬介護施設への取材記事、老犬介護中の飼い主さんの体験談などを参考にしながら、飼い主目線で分かりやすくまとめています。参照元はこちら。
この記事でわかること
・老犬介護で外出できなくなる理由
・家を空ける前に整えておきたい安全対策
・買い物や介護用品の補充を楽にする方法
・子どもの送迎や短時間の用事を乗り切る工夫
・ペットカメラ、ペットシッター、一時預かりの考え方
・外出できないストレスや罪悪感との向き合い方
老犬介護で外出できない時は「全部自分で抱えない」が大切
老犬介護で外出できない時に、まず大切なのは「全部自分で見なければ」と思い込みすぎないことです。
もちろん、愛犬をひとりにするのは心配です。
徘徊する子、転びやすい子、寝たきりに近い子、認知症で鳴いてしまう子、排泄や水分補給に介助が必要な子は、少し目を離すだけでも不安になります。
我が家でも、家事と仕事をしながら、排泄・食事・水分補給・徘徊対応・散歩・夜間対応をしています。
おむつ替えは1日4〜5回ほど。うんちをしたら、うんちキャッチを交換して、お尻が汚れていれば部分洗い。
ごはんは朝晩2回ですが、転んで姿勢を維持できないため、器を持ったり、手で口元まで運んだりしています。食事介助用のクッションなども試しましたが、お気に召さないようです。
水も自分では飲めないので、3〜4時間ごとに飲ませています。
そのほかの時間は、寝ているか、サークル内を徘徊していますが、
徘徊して転ぶと、自力で起き上がれず、パニックになって鳴くこともあります。
夜も、徘徊、転倒、パニック、鳴く、落ち着けば寝る、の繰り返しです。
抱っこして添い寝すると比較的落ち着いてくれますが、その分こちらは深く眠れません。
こういう生活になると、外出できないのは当然です。
でも、「少しくらい出かけたい」と思うことも、罪悪感を持ちすぎなくていいと思います。
愛犬を大切に思っているからこそ心配になるし、大切に思っているからこそ、飼い主さん自身も疲れてしまいます。
介護は、気合いだけでは続きません。
できるだけ安全を確保しながら、飼い主さんの生活も回る形を作っていくことが必要です。
老犬介護疲れについては、こちらでも詳しくまとめています。


老犬を置いて外出する前に確認したいこと
老犬を置いて短時間でも外出する場合は、「何時間なら大丈夫か」だけでなく、その子の状態を見て判断することが大切です。
同じ1時間でも、寝ている時間が長い子と、徘徊して転びやすい子ではリスクが違います。
徘徊や転倒がある子は行動範囲を狭める
老犬は、寝たきりに近い状態でも、ずりずり動いたり、サークル内を歩き回ったりすることがあります。
帰宅したら家具の隙間に挟まっていた。
ベッドの下に入り込んでいた。
転んで起き上がれず、鳴き続けていた。
こうしたことがあると、飼い主さんも怖くなりますよね。
徘徊や転倒がある場合は、広く自由にさせるよりも、サークルやマットで安全な範囲を作る方が安心なことがあります。
ポイントは、動ける範囲をただ狭くするのではなく、転んでもケガをしにくい環境にすることです。
・滑りにくいマットを敷く
・家具や角にぶつからないようにする
・柵の隙間に顔や足が入り込まないようにする
・倒れた時に体をぶつけにくい素材を使う
・水皿や物を置きすぎない
うちのように、徘徊して転ぶとパニックになって鳴く子の場合、サークルの中をどう整えるかはかなり大切です。
老犬の徘徊対策はこちらでも詳しくまとめています。

室温管理は最優先で整える
老犬を置いて外出する時に、特に気をつけたいのが室温です。
若い犬でも暑さや寒さは負担になりますが、老犬は体温調節が苦手になっていることがあります。
夏は熱中症、冬は低体温に注意が必要です。
短時間の外出でも、エアコンや暖房を使って、できるだけ安定した環境にしておきましょう。
特に夏場は、「少しの時間だから大丈夫」と思っても、室温が一気に上がることがあります。
水を自分で飲めない子や、移動が難しい子は、暑さに気づいても自分で涼しい場所へ移動できません。
我が家も、水は3〜4時間ごとに介助して飲ませているので、外出前には室温と水分補給のタイミングをかなり気にしています。
老犬の熱中症対策については、こちらも参考にしてください。

おむつは便利だけど、つけっぱなしには注意
外出時におむつを使うと、粗相の不安は減ります。
ただし、長時間つけっぱなしになると、蒸れや汚れで皮膚トラブルにつながることがあります。
特にシニア犬は皮膚が弱くなっていることもあるため、帰宅後はできるだけ早めに確認してあげたいです。
我が家では、おしっこしていそうなら交換し、うんちをしたらうんちキャッチを交換しています。
お尻が汚れていたら、その都度、部分洗いもしています。
外出前は、
・おむつを新しいものに替える
・お尻まわりの汚れを確認する
・帰宅後すぐに交換できるよう準備しておく
このあたりを整えておくと、少し安心しやすいです。
おむつかぶれについてはこちらで詳しくまとめています。

また、老犬のお留守番については、こちらも参考にしてみて下さい。

買い物に行けない時は、宅配と定期便を使う
老犬介護で外出できない時、最初に見直しやすいのが買い物です。
食材、日用品、犬の介護用品。
どれも必要ですが、買い物に行くために家を空けるのが難しくなります。
我が家では、買い物はほぼ生協などの宅配やECに切り替えています。
そして、在庫チェックと補充に神経と手間を費やすことを極力減らすため、生活必需品だけでなく、犬の介護用品もできるだけ定期便やまとめ買いにしています。
たとえば、
・おむつ
・シャンプータオル
・ペットシート
・ドライシャンプー
・フード
・サプリ
・うんちキャッチ系の消耗品
こうしたものは、「なくなるから買う」のではなく、余裕を持って在庫を持つようにしています。
介護中は、「あとで買いに行こう」が難しいです。
夜に眠れず、日中も排泄や食事介助で時間が取られると、買い物のために外出するだけでもかなりの負担になります。
定期便が使えるものは定期便にする。
難しいものは月1回まとめ買いにする。
食材は宅配やネットスーパーを使う。
これだけでも、外出の回数はかなり減らせました。
そして、買い物を効率化できると、その分の体力を介護や休息に回せます。
これは手抜きではなく、介護を続けるための工夫です。

子どもの送迎や用事で「どうしても外出」が必要な時
老犬介護中でも、どうしても外出しなければいけない場面は必ずあります。
特に地方に住んでいると、車での送迎が必要なことも多いです。
都会のように電車やバスで子どもが自分で移動できる環境ばかりではありません。
我が家でも、子どもの送迎は悩みます。
送迎サービスがあれば利用する
まず確認したいのは、先方に送迎サービスがあるかどうかです。
習い事、学校関係、通院、地域のサービスなど、送迎が使えるなら、利用できるものは使った方がいいです。
「自分で送るのが普通」と思ってしまうかもしれませんが、老犬介護中は普通の生活ではありません。
使えるサービスがあるなら、頼りましょう。
近場なら一度帰宅する
短時間で近場の外出であれば、ペットカメラで様子を見ながら、できるだけ早く帰宅することもできます。
我が家では、子どもの習い事で近場の場合は、
送る
↓↓
一度帰宅する
↓↓
終わる頃に迎えに行く
という形にすることがあります。
一見効率は悪いのですが、老犬を長くひとりにするより安心です。
もちろん、これができるかどうかは距離や時間によります。
無理に何度も往復すると、飼い主さん自身も疲れてしまうので、現実的な範囲で考えましょう。
ペットカメラは「安心材料」として使う
ペットカメラは、老犬介護中の短時間外出に役立つことがあります。
転んでいないか。
鳴いていないか。
寝ているか。
サークル内で落ち着いているか。
外から確認できるだけでも、不安が少し軽くなります。
ただし、ペットカメラは万能ではありません。
老犬は呼吸がゆっくりで、画面越しだと分かりにくいことがあります。
逆に「動いていないけど大丈夫かな」と不安が強くなることもあります。
また、転んでもがいていたとしても、カメラ越しでは直接手を貸して助けることができません。
そのため、ペットカメラは「これがあるから長時間外出できる」というより、短時間の確認や、何かあった時に早く気づくための補助として考えるのがよいと思います。
ペットカメラについては、こちらで実体験をまとめています。

長めの外出は、ペットシッターや一時預かりも検討する
短時間では済まない外出もあります。
自分の通院。
冠婚葬祭。
仕事の予定。
家族全員でどうしても家を空けなければいけない用事。
こういう時は、家族だけで何とかしようとせず、外部サービスも選択肢に入れておくと安心です。
ペットシッターさんに相談する
老犬が環境の変化に弱い場合は、自宅に来てもらえるペットシッターさんが合うことがあります。
いつもの場所で過ごせるので、愛犬への負担を抑えやすいです。
見守り、トイレ確認、水の交換、簡単なお世話などをお願いできる場合があります。
ただし、老犬介護への対応範囲はシッターさんによって違います。
事前に確認したいのは、
・老犬介護の経験があるか
・おむつ交換や見守りに対応できるか
・投薬の補助は可能か
・緊急時の連絡方法
・動物病院への連絡や搬送の考え方
・鍵の管理
・報告方法
このあたりです。
いきなり長時間お願いするより、まずは短時間から試して、愛犬との相性を見ると安心です。
ペットシッターについてはこちらでもまとめています。

動物病院の一時預かりも選択肢
体調に不安がある子や、介護度が高い子の場合は、動物病院の一時預かりを相談する方法もあります。
特に、持病がある子、急変が心配な子、投薬や処置が必要な子は、一般的なペットホテルより動物病院の方が安心できる場合があります。
ただし、すべての動物病院で一時預かりに対応しているわけではありません。
また、慣れない場所が大きなストレスになる子もいます。
事前に、
・預かり可能か
・老犬や介護犬に対応しているか
・食事や排泄の介助はどこまで可能か
・持ち物は何が必要か
・急変時の対応
・料金
を確認しておくとよいです。
老犬デイサービス・老犬ホームを情報だけでも知っておく
「まだ利用するほどではない」と思っていても、老犬デイサービスや老犬ホームの情報を早めに知っておくのは大切です。
追い詰められてから探すと、冷静に判断しにくくなります。
老犬ホームと聞くと、終身預かりのイメージが強いかもしれません。
でも、施設によっては一時預かりやショートステイに対応していることもあります。
介護は、状況が急に変わることがあります。
飼い主さんが体調を崩すこともあります。
「いざという時に相談できる場所がある」と分かっているだけでも、気持ちの支えになります。
老犬デイサービスについてはこちら。

老犬ホームについてはこちら。


外出できないストレスも、介護の一部として考える
老犬介護で外出できない状態が続くと、飼い主さんの心も疲れてきます。
友人の誘いを断る。
美容院を先延ばしにする。
買い物に行けない。
家族で外食できない。
自分の予定を入れられない。
こういう日々が続くと、軽い軟禁状態のように感じてしまうこともあると思います。
そして、そんなふうに感じる自分を責めてしまう。
でも、外出できないストレスを感じるのは自然なことです。
愛犬が大切でも、自分の生活が止まり続けるのはつらいです。
我が家では、外出できない分、家の中でできる楽しみを少しだけ作るようにしています。
たとえば、
・たまにおいしいものをECで頼む
・テイクアウトで好きなものを持ち帰る
・抱っこしていると落ち着く時は、一緒に映画を見る
・介護ハーネスやスリングを使って一緒に外の空気を吸う
大きな気分転換でなくてもいいと思います。
「今日は少しおいしいものを食べられた」
「愛犬を抱っこしながら映画を1本見られた」
「短い散歩でも外の空気を吸えた」
それだけでも、少し気持ちが戻ることがあります。
介護用ハーネスやスリングについてはこちらでもまとめています。


外出できない時ほど、頼れる人を決めておく
老犬介護では、「今すぐ助けてほしい」という場面が出てきます。
短時間の外出中にペットカメラを見たら、転んで起き上がれなくなっている。
帰宅まで少し時間がかかる。
自分ひとりではどうにもならない。
そんな時のために、事前に頼れる人を決めておくと安心です。
家族。
近所の信頼できる人。
ペットシッターさん。
かかりつけの動物病院。
一時預かり先。
いざという時に連絡できる先をメモしておくだけでも違います。
お願いする可能性がある人には、普段から愛犬の状態を共有しておくとスムーズです。
・どこにおむつやシートがあるか
・抱っこの仕方
・転んだ時の起こし方
・水の飲ませ方
・触られるのが苦手な場所
・緊急時の動物病院
こうしたことを簡単にまとめておくと、急な時にも頼みやすくなります。
老犬介護は、ひとりで完結させようとすると本当に苦しくなります。
頼れる人やサービスを少しずつ増やしておくことも、愛犬を守る準備だと思います。

まとめ|老犬介護で外出できない時は「減らす・短くする・頼る」で乗り切る
老犬介護で外出できないのは、飼い主さんの要領が悪いからではありません。
排泄、食事、水分補給、徘徊、転倒、夜間対応。
これらが日常になると、家を空けること自体が大きな不安になります。
だからこそ、まずは外出の回数を減らす工夫が大切です。
買い物は宅配やEC、定期便に切り替える。
介護用品はまとめ買いしておく。
送迎はサービスや家族の協力を使う。
短時間の外出はペットカメラで見守る。
長めの外出はペットシッターさんや一時預かりを検討する。
そして、何より大切なのは、飼い主さん自身を追い詰めすぎないことです。
少し外に出たい。
眠りたい。
買い物に行きたい。
誰かに代わってほしい。
そう思うのは当たり前のことで、決して愛情が足りないからではありません。
愛犬を大切にしながら、自分の生活もなんとか守る。
そのバランスを探していくことが、老犬介護を続けるためには必要だと思います。
参考文献・サイト
・要介護の老犬や老猫をおいて自宅を留守にする時。往診医としての5つの経験則。|動物病院 セカンドセレクト
https://www.secondselect.vet/2823
・働きながら老犬の介護が大変…飼い主が抱える不安や悩みと具体的な対処法|いぬさんぽ
https://wan.cuartounited.com/hatarakinagara-rouken-kaigo/
・老犬介護ホームで暮らす犬たち。介護のプロに聞くシニア犬事情と介護のヒント|PetLIVES
https://petlives.jp/love-dog/23061
・ワンオペでも24時間体制で老犬介護 大変さはあるがしあわせな時間にしたい|sippo
https://sippo.asahi.com/article/14590895


