愛犬が亡くなると、頭では「いつか来ること」と分かっていても、すぐに冷静に動くのは難しいと思います。
まず結論から言うと、犬が亡くなったら最初にすることは、落ち着いて体を整え、涼しい場所で安置し、必要に応じて動物病院や火葬・葬儀先、自治体へ連絡することです。
この記事では、愛犬が亡くなった後にやることを、できるだけ順番に分かりやすくまとめます。
看取りについては別記事でまとめているので、ここでは「亡くなった後」の対応を中心にお話しします。

※動物病院・自治体などの一次情報、ペット葬儀関連サイトを参考にしながら、飼い主目線で分かりやすくまとめています。参照元は記事末尾に記載しています。
この記事でわかること
・犬が亡くなったら最初にすること
・犬が亡くなった後の処置と安置方法
・動物病院に連絡した方がいいケース
・火葬や葬儀を考えるタイミング
・犬が亡くなったら市役所で必要な手続き
・亡くなった犬への言葉や、気持ちの向き合い方
犬が亡くなったら、まずは体を整えて涼しい場所に安置する
犬が亡くなった後にまずしてあげたいのは、体をやさしく整えて、涼しい場所で安置してあげることです。
動物病院の情報では、犬の死後硬直は亡くなってからおおよそ2〜3時間ほどで始まるとされています。
そのため、可能であれば硬直が始まる前に、
・目や口をそっと閉じる
・手足を自然な姿勢に整える
・体をやさしく拭く
・タオルやペットシーツを敷いた箱やベッドに寝かせる
・保冷剤などで体を冷やす
といった対応をしてあげると、火葬までの時間をきれいな姿で過ごしやすくなります。
ただし、すでに体が硬くなっている場合は、無理に動かさないでください。関節を痛めてしまう可能性があります。
「ちゃんとしてあげなきゃ」と焦る気持ちも出てくると思いますが、できる範囲で大丈夫です。
そばにいて、声をかけて、なでてあげることも、大切なお別れの時間です。
まだ亡くなったか判断できない時は動物病院へ連絡する
呼吸が止まっているように見えても、本当に亡くなっているのか判断がつかないこともあります。
特に、老犬や病気の子の場合は、呼吸がとても浅くなっていたり、体温が下がっていたりして、飼い主さんだけでは判断しづらいことがあります。
少しでも迷う場合は、かかりつけの動物病院に連絡してみてください。
夜間や休診日で連絡がつかない場合でも、近くの夜間救急や対応可能な病院に相談できることがあります。
また、ペット保険の手続きや一部の火葬施設で死亡診断書が必要になる場合もあるため、必要かどうかも事前に確認しておくと安心です。

犬が亡くなった後の処置|自宅でできること
犬が亡くなった後の処置は、難しいことを完璧にやる必要はありません。
大切なのは、愛犬の体をできるだけ清潔に保ち、火葬まで傷みにくい状態にしてあげることです。
準備しておくとよいもの
自宅で安置する場合は、次のようなものがあると安心です。
・バスタオル、毛布
・ペットシーツ
・段ボール箱、かご、ベッドなど
・保冷剤、氷、ドライアイス
・ガーゼ、脱脂綿、ティッシュ
・ビニール袋や新聞紙
・好きだったおやつ、お花、写真など
箱やベッドの下には、ペットシーツやビニール、新聞紙などを敷いておくと、体液が出た時にも対応しやすいです。
体をやさしく拭いて、毛並みを整える
濡らして固く絞ったタオルやガーゼで、体をやさしく拭いてあげます。
口まわり、お尻まわり、足先など、汚れやすい部分を中心に整えてあげるだけでも大丈夫です。
亡くなった後、口・鼻・肛門などから体液が出ることがあります。これは自然な変化です。
出てきた場合は、ガーゼやティッシュでやさしく拭き取ってあげてください。気になる場合は、脱脂綿やガーゼを軽く当てておく方法もあります。
保冷剤でお腹まわりを中心に冷やす
体を安置する時は、直射日光の当たらない涼しい場所を選びます。
保冷剤や氷は、直接体に当てず、タオルで包んでから使います。
特に冷やしたいのは、
・お腹まわり
・首まわり
・背中の下
などです。
夏場は室温にも注意し、可能であればエアコンを使って涼しくしてあげてください。
ただし、エアコンや扇風機の風が直接体に当たり続けると乾燥しやすいため、風向きには注意しましょう。
火葬や葬儀は、焦らず家族で決める
愛犬を安置したら、次に考えるのが火葬や葬儀です。
犬の見送り方には、主に次のような選択肢があります。
・民間のペット火葬業者に依頼する
・ペット霊園に依頼する
・自治体に引き取りを依頼する
・私有地に埋葬する
ただし、自治体の場合は返骨されないこともありますし、対応内容は地域によって違います。
「遺骨を手元に残したい」 「家族で立ち会いたい」 「個別で火葬してほしい」
このような希望がある場合は、民間のペット火葬業者やペット霊園へ相談する方が良いと思います。
ペット供養や葬儀について詳しく知りたい方は、こちらの「ペット葬儀のお寺での供養方法」も参考になります。
この段階で大事なのは、急いで決めすぎないことです。
もちろん、季節や安置状況によって長く置いておけない場合もありますが、できる範囲で家族と話し合い、納得できる形を選んであげてください。

犬が亡くなったら市役所・自治体で死亡届の手続きが必要
犬が亡くなった場合、忘れずに確認したいのが自治体への手続きです。
犬は狂犬病予防法に基づいて登録されているため、亡くなった後は登録を抹消する手続きが必要になります。
多くの自治体では、犬が亡くなってから30日以内に死亡届を提出する案内をしています。
手続きに必要になることが多いものは、
・犬の死亡届
・犬鑑札
・狂犬病予防注射済票
などです。
ただし、必要なものや提出方法は自治体によって違います。
窓口、郵送、オンラインフォームなど、地域によって対応が異なるため、お住まいの市区町村の公式ページを確認してみてください。
マイクロチップ登録をしている場合
環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」に登録している場合は、マイクロチップ情報の死亡等の届出も必要になります。
自治体によっては、マイクロチップ登録情報と連動している場合もあります。
その場合、市区町村の窓口ではなく、環境省の登録サイトから手続きする流れになることがあります。
迷う場合は、自治体の担当窓口へ確認するのが確実です。
動物病院・ペット保険・血統書の連絡も確認する
市役所の手続き以外にも、必要に応じて連絡しておきたい場所があります。
かかりつけの動物病院
動物病院への連絡は法的な義務ではありません。
ただ、長くお世話になっていた場合は、落ち着いたタイミングで報告しておくとよいと思います。
通院予定や予防接種の案内が残っている場合もありますし、先生やスタッフさんにお礼を伝えたい方もいると思います。
自宅で亡くなった場合、死亡診断書が必要かどうかを相談することもできます。
ペット保険
ペット保険に加入していた場合は、保険会社へ連絡します。
契約内容によっては、死亡時の手続きや保険金請求、火葬費用の補償などが関係する場合があります。
死亡診断書や領収書が必要になることもあるため、火葬や葬儀の領収書はしばらく保管しておくと安心です。
血統書登録がある場合
血統書のある犬の場合、登録団体への連絡が必要になることがあります。
手続き方法は団体によって異なるため、血統書を確認して、必要であれば問い合わせてみてください。

愛犬に「ありがとう」と感謝を伝えてあげよう
愛犬が亡くなった時、どんな言葉をかければいいのか分からなくなることがあります。
でも、立派な言葉でなくて大丈夫です。まずは「ありがとう」と、感謝の気持ちを伝えてあげるといいかもしれません。
言葉をかけることに意味があるのか?と感じる方もいるかもしれません。
でも、声をかけることは、愛犬のためだけでなく、飼い主さん自身の気持ちを少しずつ整理する時間にもなります。
泣きながらでもいいです。 うまく話せなくてもいいです。 ただそばにいて、なでてあげるだけでもいいです。
最後の時間を、できるだけその子らしく、愛情を持って過ごしてあげられたら、それで十分だと思います。
家族や知人の犬が亡くなった時のお悔やみの言葉
知人や家族の犬が亡くなった時は、相手の悲しみを軽く見ない言葉を選びたいところです。
たとえば、
・大切な家族だったよね
・今は本当につらいと思う
・たくさん愛されて幸せだったと思う
・無理に元気を出さなくて大丈夫だよ
・話したくなったらいつでも聞くね
このような言葉は、比較的伝えやすいと思います。
反対に、
・また飼えばいいよ
・寿命だから仕方ないよ
・いつまでも泣いていたらかわいそう
などといった言葉は、たとえ励ますつもりでも相手を傷つけることもあります。
ペットが亡くなった時のお悔やみは、何か気の利いたことを言うよりも、「大切な存在だったことを分かっているよ」と伝える方が、心に届きやすいと思います。

犬が亡くなった後の不思議なことや、死んだ犬の気持ちについて
犬が亡くなった後、
「気配を感じた」 「足音がした気がした」 「夢に出てきた」 「いつもの場所にいる気がする」
そんな不思議なことを経験する方もいます。
科学的にどう説明するかは別として、愛犬を大切に思っていたからこそ、ふとした瞬間に存在を感じることはあるのだと思います。
また、「死んだ犬の気持ち」を知りたいと感じる方も多いです。
苦しくなかったかな。 寂しくなかったかな。 うちの子で幸せだったかな。
私たちは本当の気持ちを直接聞くことはできません。
でも、長い時間を一緒に過ごし、ごはんをあげて、散歩に行って、体をなでて、名前を呼び続けてきた日々は、きっと愛犬に届いていたはずです。
後悔がまったく残らないお別れは、なかなかないと思います。
「あの時こうしていれば」 「もっと早く気づいていれば」 「最後にそばにいられなかった」
そう思ってしまうのは、それだけ大切だったからです。
でも、愛犬との暮らしは最後の一日だけで決まるものではありません。
一緒に過ごした毎日そのものが、その子にとっての犬生だったのだと思います。
犬が亡くなって辛い時は、すぐに元気になろうとしなくていい
犬が亡くなった後の悲しみは、人によって大きさも続く時間も違います。
火葬が終わって急に現実感が出ることもあります。 いつもの場所にいないことで、何度も泣いてしまうこともあります。 ごはん皿、リード、ベッドを見るだけで苦しくなることもあります。
それは自然なことです。
無理に片付けなくてもいいですし、無理に前向きにならなくても大丈夫です。
写真を見る。 手紙を書く。 お花を飾る。 家族と思い出を話す。 しばらく何もできない日があってもいい。
少しずつで大丈夫です。
もし悲しみが深すぎて眠れない、食べられない、生活に支障が出ている状態が続く場合は、家族や友人、必要であれば専門家に話してみてください。
ペットロスは、気合いで乗り越えるものではありません。
大切な存在を失った心が、時間をかけて受け止めていくものだと思います。

まとめ|犬が亡くなったら、まずは安置・見送り・手続きを順番に
犬が亡くなったら、まずは体をやさしく整え、涼しい場所で安置してあげましょう。
その後、必要に応じて動物病院へ連絡し、火葬や葬儀の方法を家族で決めます。
犬の場合は、亡くなってから30日以内に自治体へ死亡届を提出する手続きも必要です。マイクロチップ登録、ペット保険、血統書などがある場合は、それぞれの手続きも確認しておきましょう。
ただ、何より大切なのは、飼い主さんが自分を責めすぎないことです。
完璧にできなくても大丈夫です。
ありがとう。 大好きだよ。 うちに来てくれてありがとう。
その気持ちを伝えながら、できる範囲で見送ってあげればいいと思います。
愛犬との時間は、亡くなった瞬間で消えてしまうものではありません。
一緒に暮らした日々は、これからもずっと飼い主さんの中に残っていきます。

参考文献・サイト
・日本動物医療センター 大切な愛犬が亡くなった時にする3つの事柄
https://jamc.co.jp/dog_colum/1379/
・神戸市 ペットが死亡したとき
https://www.city.kobe.lg.jp/a84140/kenko/health/hygiene/animal/h0480.html
・東京都北区 飼い犬が亡くなってしまったら
https://www.city.kita.lg.jp/living/animal/1002139/1002143.html
・環境省 犬と猫のマイクロチップ情報登録
https://reg.mc.env.go.jp/
・ペット火葬 420160 ペット火葬の流れに関するコラム
https://420160.co.jp/column/20260106/

