老犬の食事量計算|必要カロリーとグラム数の出し方をやさしく解説

dog meal フード

「老犬の食事量はどれくらいがいいの?」
「ドッグフードの給餌量を自動計算したい」
「痩せてきた老犬に、今の量で足りているのか不安」

このように悩む飼い主さんは多いと思います。

結論から言うと、老犬の食事量は「犬種サイズ」だけで決めるより、現在の体重・体型・活動量・食べられるものを見ながら、必要カロリーを計算して考えるのがおすすめです。

基本は、RER(安静時に必要なカロリー)を出し、そこに老犬の状態に合わせた係数をかけてDER(1日に必要なカロリー)を求めます。そのうえで、フードのカロリーからグラム数に換算します。

※この記事は、動物病院や公的機関などの情報を参考にしながら、飼い主目線で分かりやすくまとめています。病気や体重減少がある場合は、自己判断だけでなく獣医師さんに相談してください。参照元はこちら

この記事でわかること

・老犬の食事量を計算する基本の流れ
・必要カロリーからフードのグラム数を出す方法
・老犬の活動係数の考え方
・自動計算サイトを使う時の注意点
・手作りごはんやトッピングを足す時の計算方法
・痩せてきた老犬の食事量で注意したいこと

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老犬の食事量は「体重×何g」だけで決めない

老犬の食事量を考える時に、まず大切なのは「今の愛犬の状態を見ること」です。

ドッグフードのパッケージには、体重別の給与量が書かれています。もちろん目安としては便利ですが、同じ5kgの犬でも、若くてよく動く子と、寝ている時間が長い老犬では必要なカロリーが違います。

さらに老犬の場合は、

・活動量が落ちている
・筋肉量が減っている
・消化吸収力が落ちている
・歯や口の状態で食べられるものが限られる
・腎臓病や心臓病など持病がある

といった変化が重なりやすくなります。

そのため、老犬の食事量は「小型犬だからこのくらい」「中型犬だからこのくらい」と犬種サイズだけで見るよりも、現在の体重・体型・活動量・体調をもとに考える方が現実的です。

うちの犬も、若い頃は中型犬らしい体重でしたが、19歳になってからは痩せてきて、小型犬のような体重になりました。

こうなると、犬種の標準体重や若い頃の感覚だけでは判断しにくくなります。

今の体に対して、どれくらいのカロリーが必要なのか。

まずはそこを知ることが、老犬の食事管理の出発点になります。

 

老犬の食事量計算は3ステップで考える

老犬の食事量は、次の3ステップで考えると分かりやすいです。

・ステップ1:RERを計算する
・ステップ2:DERを計算する
・ステップ3:必要カロリーをフード量に換算する

難しく見えますが、やっていることは「1日に必要なカロリーを出して、それをフードのグラム数に直す」だけです。

ステップ1:RERを計算する

RERとは、安静時エネルギー要求量のことです。

簡単に言うと、犬が安静に過ごしているだけでも必要になる基本のカロリーです。

計算式は次の通りです。

RER=体重kgの0.75乗×70

少し分かりにくいですが、電卓を使う場合は次のように計算できます。

体重×体重×体重=√√×70

たとえば、体重5kgの老犬なら、

5×5×5=125
125にルートを2回押す
出た数字に70をかける

これで、RERは約234kcalになります。

ステップ2:DERを計算する

次に、RERに活動係数をかけてDERを出します。

DERとは、1日に必要なエネルギー量のことです。

DER=RER×活動係数

老犬の場合、活動係数はサイトや動物病院によって少し違いがありますが、目安としては1.2〜1.4前後で紹介されていることが多いです。

たとえば、体重5kgでRERが約234kcalの場合、

活動量がかなり少ない、避妊去勢済みの老犬:234×1.2=約281kcal
ある程度活動する老犬:234×1.4=約328kcal

このあたりが、1日に必要なカロリーの目安になります。

ただし、これはあくまで計算上の目安です。

体重が増えているなら少し減らす。痩せてきているなら少し増やす。便の状態や食欲、毛並み、筋肉の落ち方も見ながら調整していきます。

ステップ3:必要カロリーをフードのグラム数に換算する

必要カロリーが分かったら、次はフードのグラム数に換算します。

計算式は次の通りです。

1日のフード量(g)=必要カロリー÷フード100gあたりのカロリー×100

たとえば、1日に必要なカロリーが280kcalで、フードが350kcal/100gの場合、

280÷350×100=80g

つまり、1日80gが目安になります。

1日2回なら1回40g、1日4回なら1回20gです。

老犬は一度にたくさん食べると負担になることもあるため、食欲や消化の様子に合わせて、3〜4回に分けるのもひとつの方法です。

A dog eating a meal2

 

老犬の食事量は「現在の体型」も一緒に見る

計算で出した食事量は、最初の目安です。

その量が本当に合っているかは、体重と体型を見ながら判断します。

特に見たいのは、BCS(ボディコンディションスコア)という体型の目安です。

難しく考えすぎなくても、

・肋骨が軽く触れる
・上から見てくびれがある
・横から見てお腹が少し引き上がっている
・背骨や腰骨が浮きすぎていない
・太もも周りの筋肉が落ちすぎていない

といった点を見ていきます。

老犬の場合、体重だけでは分かりにくいことがあります。

体重はあまり変わっていないのに筋肉が落ちて脂肪が増えていることもありますし、逆に体重が減っているのに「年だから仕方ない」と見過ごしてしまうこともあります。

できれば、週1回〜月1回くらいで体重を測り、写真やメモも残しておくと変化に気づきやすいです。

 

自動計算サイトを使うなら動物病院系のものが安心

「犬 カロリー 自動計算」「ドッグフード 給餌量自動計算」などで調べると、無料で使える計算サイトがいくつか出てきます。

計算が苦手な方は、こうした自動計算サイトを使うのも便利です。

特に参考にしやすいのは、動物病院が公開している計算ツールです。

たとえば、

日本動物医療センターのフード量計算
チボリ動物医療センターの食事量計算シート
ライフサポート動物病院のフード量計算ツール

などは、体重や活動係数、フードのカロリーから食事量を計算できます。

ただし、自動計算の結果も「絶対の正解」ではありません。計算では分からない部分もあります。

・持病がある
・急に痩せてきた
・食欲が落ちている
・下痢や嘔吐がある
・水を飲む量が変わった
・療法食を食べている

このような場合は、計算結果だけで調整せず、獣医師さんに相談した方が安心です。

A dog eating a meal1

 

おやつ・ささみ・手作りごはんを足す時の計算方法

老犬になると、ドッグフードだけでは食べてくれないこともあります。

ささみを足したり、ウェットフードを混ぜたり、総合栄養食のテリーヌや流動食を使ったりすることもあると思います。

この場合は、ざっくりでもよいので「全部合わせて何kcal食べているか」を見ることが大切です。

考え方はシンプルです。

  1. まず、1日に必要なカロリーを計算する
  2. すでに食べているもののカロリーを足す
  3. 残りを総合栄養食やフードで補う

たとえば、1日に280kcalが目安の老犬がいるとします。

その子が、茹でささみで50kcal分食べているなら、

280−50=230kcal

残り230kcalを、総合栄養食のフードやウェットフードで補うイメージです。

うちの場合も、茹でささみを与えることがあります。その時は「ささみを足したからフードもいつも通り」ではなく、必要カロリーからささみの分を引いて、残りをどう補うか考えるようにしています。

 

総合栄養食でも「量」だけでなくカロリーを見る

老犬が食べられるものが限られてくると、「これなら食べてくれる」という食品が本当にありがたくなります。

ただ、総合栄養食と書かれていても、実際にどれくらいのカロリーを食べられているかは確認した方が安心です。

例えば我が家では、愛犬がなかなかご飯を食べてくれなくてちゅーるテリーヌの総合栄養食タイプに助けられた時期がありました。

パッケージ記載の給餌量は『5kg…4本/日』だったのですが、1本あたり15kcalの商品を1日4本食べたとしても、合計は60kcalです。

もし体重5kgの老犬で1日280kcal前後が目安なら、60kcalだけではかなり足りません。そのため、飼い主自身が必要カロリーを把握して、他のフードや食材でどれくらい補うかを考える必要があります。

もちろん、商品ごとの給与量や目的はそれぞれ違いますし、体調によっては少しでも食べられること自体が大切な時もあります。

ただ、「総合栄養食だから大丈夫」と思い込まず、

・1本何kcalか
・1日で合計何kcal食べているか
・必要カロリーとの差はどれくらいか

を見ておくと、フードを変える時や、食べられるものが少ない時の判断がしやすくなります。

ちゅーるテリーヌについては、こちらでも実体験をまとめています。

いなばちゅ〜るテリーヌ総合栄養食タイプの口コミと与え方
いなばちゅ〜るテリーヌ総合栄養食タイプの口コミ、原材料、成分、カロリー、安全性を解説。食が細い老犬への使い方や注意点も、介護経験をもとにまとめます。

 

老犬が痩せてきた時は「年のせい」と決めつけない

老犬が痩せてくると、「もう高齢だから仕方ないのかな」と思ってしまうことがあります。

たしかに、年齢とともに筋肉量が落ちたり、食べる量が減ったりすることはあります。

でも、急に痩せてきた場合や、食べているのに体重が落ちる場合は、病気が関係していることもあります。

たとえば、

・腎臓病
・心臓病
・消化器の病気
・歯周病や口の痛み
・内分泌の病気
・がんなどの消耗性疾患

などが隠れていることもあります。

食事量を計算することは大切ですが、体重減少の原因を見つけることも同じくらい大切です。

特に、

・急に体重が減った
・食欲が落ちた状態が続く
・水を飲む量や尿の量が増えた
・下痢や嘔吐がある
・口を痛がる、食べにくそう
・元気がない

こうした変化がある場合は、早めに動物病院で相談してください。

 

老犬がご飯を食べない時の考え方はこちらにもまとめています。

老犬がご飯を食べない時の原因と対処法|余命・水は飲む・おやつは食べる場合も解説
老犬がご飯食べない原因は「食べたくない」「食べられない」の2パターン。元気ある・おやつは食べる・水は飲む場合の判断や余命との関係、何をあげるべきかまで体験をもとに解説します。

食べたそうなのに食べられない場合はこちらも参考にしてください。

老犬が食べられない時の栄養補給|流動食・シリンジ・受診目安
老犬がご飯を食べないという状況の中でも、今回は「食べられない」状態にフォーカス。おやつは食べるのに主食を食べない、水は飲むのに食事が進まないといったケースを軸に、原因の見極め方、栄養補給の工夫、体験談に基づく対策、受診の目安をわかりやすく解説します。

 

腎臓病など持病がある老犬は計算だけで決めない

老犬の食事量計算で特に注意したいのが、持病がある場合です。

腎臓病、心臓病、膵炎、消化器疾患などがある場合、単純に「カロリーが足りないから増やす」とは考えにくいことがあります。

たとえば腎臓病では、タンパク質・リン・ナトリウムなどの調整が必要になることがあります。療法食を使っている場合は、栄養バランスが病気に合わせて設計されています。

そのため、自己判断でトッピングを増やしたり、別のフードを混ぜたりすると、治療方針と合わなくなる可能性があります。

もちろん、食べない時にどうにか食べてほしい気持ちはとても分かります。

でも、持病がある老犬ほど「何をどれくらい足していいか」は獣医師さんと相談した方が安心です。

腎臓病の老犬の食事についてはこちらでもまとめています。

老犬の腎臓病の食事はどうする?食べていいもの・避けたいものと水分ケア
老犬が腎臓病と診断された時の食事管理を解説。腎臓病に良い食べ物、避けたいもの、療法食を食べない時の工夫、水分ケア、手作り食の注意点を19歳の愛犬の実体験も交えてまとめます。

 

老犬の食事量を調整する時の注意点

食事量を変える時は、一気に増やしたり減らしたりしない方が安心です。

特に老犬は胃腸が敏感になっていることもあるため、急な変更で下痢や嘔吐につながる場合があります。

調整する時は、

・まずは5〜10%くらいの変更から始める
・数日〜1週間ほど様子を見る
・便の状態を見る
・体重の変化を見る
・食欲や元気の変化を見る

といった流れがおすすめです。

フードを切り替える時も、今のフードに少しずつ混ぜながら、7〜10日ほどかけて移行すると負担を減らしやすいです。

老犬は「たくさん食べさせれば安心」とも限りません。

食べる量が増えても下痢をしてしまえば吸収できませんし、脂質が多いものを急に足すと体に合わないこともあります。

大切なのは、無理なく続けられる量にすることです。

A dog eating a meal3

 

食べる量だけでなく、食べやすさも整える

老犬の食事量が足りない時、フードの量だけを見直しても解決しないことがあります。

食欲はあるのに、うまく食べられない子もいます。

たとえば、

・首を下げる姿勢がつらい
・歯や歯茎が痛い
・ドライフードが硬くて食べにくい
・においを感じにくくなっている
・一度にたくさん食べると疲れる

こうした場合は、量より先に「食べやすさ」を整えることも大切です。

できる工夫としては、

・食器の高さを上げる
・フードをぬるま湯でふやかす
・ウェットフードを少し混ぜる
・人肌程度に温めて香りを立てる
・1日3〜4回に分ける
・静かで落ち着ける場所で食べさせる

などがあります。

 

老犬が食べやすい食器についてはこちらでまとめています。

老犬が食べやすい食器のおすすめと環境づくり|高さと安定の選び方
老犬のご飯が食べにくそう、舌が上手く使えない、歯がない犬の食器選びに悩む方向けに、老犬食器台の高さ・傾斜・素材などのポイントを解説。手作りで高さを試す方法とおすすめ食器も紹介します。

食欲不振時のトッピングについてはこちらも参考にしてください。

老犬の食欲不振におすすめのトッピングは?食べない時の栄養補給と注意点
老犬の食欲不振に使いやすいトッピングを、ささみ・さつまいも・ウェットフード・介護食などから紹介。食べない原因、栄養補給の考え方、トッピングしても食べない時の見直しポイント、病院に相談したいサインもまとめます。

 

まとめ|老犬の食事量は計算と観察の両方で考える

老犬の食事量は、パッケージの給与量だけでなく、今の体重・体型・活動量・食べられるものを見ながら考えることが大切です。

基本の流れは、

・RERを計算する
・活動係数をかけてDERを出す
・必要カロリーをフードのグラム数に換算する
・体重やBCSを見ながら調整する

という形です。

ただし、計算で出た数字はあくまで目安です。

老犬は体調の変化が出やすく、病気や口の痛み、消化機能の低下などが食事量に影響することもあります。

特に、急に痩せてきた、食べない状態が続く、水を飲む量が変わった、持病があるという場合は、自己判断だけで調整せず、獣医師さんに相談してください。

「どれくらい食べさせればいいのか」を知っておくことは、老犬の健康管理だけでなく、飼い主さんの不安を減らすことにもつながります。

毎日完璧に計算しなくても大丈夫です。

まずは、今食べているものがだいたい何kcalなのかを知ることから始めてみてください。

A dog eating a meal4

 

参考文献・サイト

・池田動物病院「犬の食事量の計算方法|シニア犬」
https://ikedaanihos.com/dog-senior-nutrition-calculation/

・日本動物医療センター「ペットの1日フード量計算(犬・猫)」
https://jamc.co.jp/calc_01/

・チボリ動物医療センター「食事量計算シート」
https://www.jyuui.co.jp/kcalkeisan

・栃木県動物愛護指導センター「愛犬と愛猫へのフード量はどう計算するの?」
https://www.douai.pref.tochigi.lg.jp/20240477_1/

・北摂ライフサポート動物病院「犬・猫の1日フード量計算ツール」
https://lifesupport-ah.com/pet-food-calculator/

・Vet’s Labo「いつまでも元気でいて欲しい シニア犬のためのご飯『メディダイエット』」
https://vetslabo.com/journal/20736/

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