老犬に睡眠導入剤は使っていい?実体験と注意点

Sleeping dog1 シニア犬・老犬介護

老犬の夜泣きや夜中の徘徊が続くと、飼い主さんも眠れなくなって本当に追い詰められます。

「老犬に睡眠導入剤を使ってもいいのかな」
「犬に睡眠薬を毎日飲ませても大丈夫?」
「市販のドリエルのような人間用の薬は使える?」

こんなふうに悩んでいる方も多いと思います。

結論から言うと、老犬の睡眠導入剤や睡眠薬は、自己判断で使うものではありません。必ず獣医師さんに相談して、その子の年齢・体重・持病・今飲んでいる薬などを見てもらったうえで判断する必要があります。

ただ、薬を使うこと自体が悪いわけではありません。

夜鳴きや徘徊で犬自身の体力が削られている場合や、飼い主さんが睡眠不足で限界に近い場合には、獣医師さんと相談しながら睡眠導入剤を選択することもあります。

我が家でも、19歳の愛犬の夜中の徘徊と夜鳴きが続き、どうしても眠れない時期に、獣医師さんからトラゾドンを処方してもらいました。

この記事では、薬の詳しい解説というよりも、老犬介護中の飼い主目線で「睡眠導入剤を使うまでの葛藤」「実際に使って感じたこと」「注意したいこと」をまとめます。

※この記事は、獣医師さんや動物病院、研究論文などの情報を参考にしながら、老犬介護中の飼い主目線でまとめています。参照元はこちら

この記事でわかること

・老犬に睡眠導入剤を使う前に考えたいこと
・犬に市販の睡眠薬やドリエルを使ってはいけない理由
・トラゾドンを処方された我が家の体験談
・睡眠薬で起きない、ふらつく時の考え方
・老犬の夜泣きと睡眠導入剤の向き合い方
・薬以外に見直したい夜鳴き対策

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老犬の睡眠導入剤は「飼い主が楽をするため」だけのものではない

老犬に睡眠導入剤と聞くと、少し怖く感じる方もいると思います。

「眠らせるなんてかわいそう」
「自分が寝たいだけなのでは」
「寿命が縮まったらどうしよう」

私もはじめは同じように感じました。

でも、夜中に何時間も徘徊したり、鳴き続けたりしている状態は、犬にとっても楽な状態とは言えない場合があります。

眠れない。 落ち着けない。 歩き続けて体力を使う。 転んだり、ぶつかったりする。

そういう状態が毎晩続くと、犬自身もかなり消耗します。

もちろん、薬を使えばすべて解決するわけではありません。夜鳴きの原因が痛み、不安、排泄、空腹、環境の不快感などであれば、そこを見直すことが先です。

ただ、原因を探りながらも、どうしても夜に眠れない状態が続く時、睡眠導入剤は「犬と飼い主の両方を休ませるための選択肢」になることがあります。

大切なのは、自己判断で使わないこと。

薬を使うかどうか、どの薬をどのくらい使うかは、獣医師さんと相談して決める部分です。

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老犬の夜泣き・徘徊は認知症だけとは限らない

老犬が夜中に鳴いたり、ウロウロ歩き回ったりすると、まず認知症を疑う方が多いと思います。

たしかに、犬の認知機能不全では、昼夜逆転や夜鳴き、徘徊、トイレの失敗、不安の増加などが見られることがあります。

ただし、夜泣きや徘徊の原因は認知症だけではありません。

たとえば、

・関節や腰の痛み
・緑内障など目の痛み
・腎臓病などによる体調不良
・排泄したい、またはオムツが気持ち悪い
・お腹が空いている、喉が渇いている
・暑い、寒い、寝床が硬い
・目や耳が悪くなって不安
・脳の病気

このような原因が隠れていることもあります。

「歳だから仕方ない」 「認知症だから薬で眠らせるしかない」と決めつける前に、一度動物病院で相談することが大切です。

 

夜鳴き全般については、こちらの記事でもまとめています。

老犬の夜鳴き対策|我が家で実際に効果があった方法とNG行動
「夜中に鳴いて起こされる…」「徘徊しながら泣き続けてしまう…」老犬の夜鳴きに悩んでいる飼い主さんはとても多いと思います。我が家の愛犬(執筆当時で19歳)もシニア期に入ってから、夜中に鳴いたり、ぐるぐると徘徊するようになりました。最初は原因が...

夜に寝ない・ウロウロする原因についてはこちらも参考にしてください。

老犬が夜寝ない・ウロウロする原因と対処法|認知症・痛み・トイレの見分け方
老犬が夜寝ない・ウロウロする原因と対策を解説。19歳の愛犬の実体験をもとに、生活リズムの整え方や環境づくり、すぐできる改善方法をわかりやすく紹介します。

 

犬に市販の睡眠薬やドリエルを飲ませるのは危険

検索していると、「老犬 夜泣き 睡眠薬 市販」「犬 睡眠薬 ドリエル」のような言葉が出てくることがあります。

それだけ、今すぐどうにかしたいほど困っている飼い主さんが多いのだと思います。

でも、人間用の市販睡眠薬を犬に自己判断で飲ませるのは避けてください。

人間用の薬は、犬用に作られているわけではありません。体重も代謝も違いますし、持病や年齢によっては思わぬ副作用につながる可能性があります。

特に老犬は、肝臓や腎臓の働きが落ちていたり、心臓病や神経症状などを抱えていたりすることもあります。

少しの量でも効きすぎる子もいます。

「これくらいなら大丈夫かな」
「人間の子どもより軽い量なら平気かな」

という判断は危険です。

犬に睡眠導入剤や睡眠薬を使いたい場合は、市販薬ではなく、動物病院で相談してください。

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我が家が睡眠導入剤を相談した理由

うちの愛犬は19歳です。

夜中の徘徊が毎晩のようにあり、調子が良い日でも夜中に2回は起こされます。調子が悪い時は、夜鳴きも加わります。

一度起こされると、こちらもすぐには眠れません。

「また起きるかな」
「転んでないかな」
「鳴き出したらどうしよう」

そう思うと、眠れているようで眠れていないんですよね。

我が家では、私が在宅勤務なので、昼夜の見守りは主に私がしています。夫が休みの前の日だけ、夜間の対応を代わってもらう形です。

でも、在宅勤務だからといって、いつでも寝られるわけではありません。仕事は仕事です。 期日もあります。 集中しなければいけない時ももちろんあります。

そんな時期に、愛犬の調子が悪く、ほとんど眠れない日が続きました。

もうどうしようもなくなって、動物病院で相談しました。

そこで、軽めの睡眠導入剤としてトラゾドンを処方してもらうことになりました。

 

トラゾドンを半錠飲ませたら、うちの犬には効きすぎた

獣医師さんからは、まず半錠で試してみるように言われました。

実際に飲ませてみると、うちの犬にはすぐに効きました。その日は、久しぶりに私もちゃんと眠れました。

ただ、翌日。

犬がなかなか起きません。

昼過ぎになっても起きず、やっと起きたと思ったら、フラフラしていて、小鹿のように脚がカクンカクンしていました。

時間が経つにつれていつも通りに戻りましたが、その時は本当に不安でした。

「このまま起きなかったらどうしよう」
「量が多かったのかな」
「大丈夫なのかな」

そう思いました。

 

おそらく、うちの犬は睡眠導入剤が効きやすい体質なのだと思います。

それからは、本当にこちらが参ってしまいそうな時だけ、1回1/4錠で使うようにしています。

それでも昼くらいまでは寝てしまうので、使うたびに少し緊張します。

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老犬に睡眠薬を使ったあと「起きない」「ふらつく」時は相談を

睡眠導入剤や睡眠薬を使ったあとに、

・なかなか起きない
・足元がふらつく
・ぼーっとしている
・食欲がない
・震える
・興奮する
・呼吸や様子がいつもと違う

このような変化があると、とても不安になると思います。

薬の効き方には個体差があります。

同じ薬、同じ量でも、すぐ効く子もいれば、あまり効かない子もいます。老犬の場合は、体調や持病によっても変わることがあります。

もし「いつもと違う」と感じたら、処方してもらった動物病院に相談してください。

相談する時は、次のようなことをメモしておくと伝えやすいです。

・薬を飲ませた時間
・どれくらいで眠ったか
・何時間くらい眠ったか
・起きた時の様子
・ふらつきや震えがあったか
・食欲や排泄の変化
・次の日にどれくらいで戻ったか

うちの場合も、半錠では効きすぎる印象があったため、獣医師さんに相談して今は慎重に量を調整しながら使っています。

薬の量を増やす・減らす・やめる判断は、自己判断だけで決めず、獣医師さんに確認しながら進めるのが安心です。

 

老犬に睡眠薬を毎日使っていいかは、犬の状態によって違う

「老犬 睡眠薬 毎日」と検索する方も多いと思います。

毎晩夜鳴きがあると、毎日使ってもいいのか気になりますよね。

ただ、これは一概には言えません。

毎日使うかどうかは、

・夜鳴きや徘徊の程度
・犬自身の体力消耗
・持病の有無
・肝臓や腎臓の状態
・薬の種類
・副作用の出方
・飼い主さんの介護負担

などによって変わります。

毎日飲んでいる子もいれば、必要な時だけ使う子もいます。薬の種類によって、使い方も違います。

大事なのは、「眠れないから毎日飲ませる」と自分だけで決めないことです。

また、薬だけに頼るのではなく、日中の過ごし方や寝床、排泄、空腹、不安なども一緒に見直していくことが大切です。

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老犬の夜泣きは死期のサインなの?

夜鳴きが急に増えると、「もう最期が近いのかな」と不安になりますよね。

実際、老犬の体調が大きく変化する時期に、夜鳴きや落ち着きのなさが出ることはあります。

ただ、夜鳴きがあるからといって、それだけで死期が近いとは判断できません。

痛み、不安、排泄、認知機能の変化、脳や内臓の病気など、いろいろな可能性があります。

急に夜鳴きが増えた。 鳴き方が変わった。 食欲が落ちた。 呼吸が荒い。 立てない、ぐったりしている。 発作のような様子がある。

こうした変化がある時は、早めに動物病院へ相談した方が安心です。

看取りや最期の前兆について不安がある方は、こちらの記事も参考にしてください。

犬の看取りで後悔しないために|最期の前兆と家でできる準備
犬の看取りで後悔しないために、最期が近い時の前兆、楽な姿勢、必要なもの、仕事でそばにいられない時の考え方、お別れ後の準備までやさしく解説します。

 

薬を考える前に見直したいこと

睡眠導入剤を使うかどうか悩む前に、まずは夜鳴きや夜間の徘徊の原因を少しずつ探ってみることも大切です。

もちろん、すでに限界なら「全部試してから病院へ」ではなく、先に相談して大丈夫です。

家で見直しやすいのは、次のようなことです。

・寝床が硬すぎないか
・暑すぎる、寒すぎる環境になっていないか
・夜中に喉が渇いていないか
・夕食から朝食までの時間が長すぎないか
・排泄したいのに行けない状態ではないか
・オムツが濡れて気持ち悪くないか
・痛みがありそうな歩き方をしていないか
・日中に寝すぎて昼夜逆転していないか
・目や耳が悪くなって不安になっていないか

特に老犬は、ほんの小さな不快感で眠れなくなることがあります。

若い頃なら気にしなかった寝床の段差や、少しの暑さ寒さ、トイレまでの距離が、夜鳴きにつながることもあります。

また、朝の日光浴や、無理のない散歩、抱っこ散歩、カート散歩などで日中に刺激を入れると、生活リズムが整いやすくなる場合もあります。

 

老犬の認知症についてはこちらでもまとめています。

老犬の認知症チェック|初期症状・寿命・薬・対策まとめ
老犬の認知症で見られる初期症状やチェック項目、夜寝ない・徘徊・夜鳴きへの対応、治療や薬、サプリ、寿命や末期症状の考え方を、19歳柴犬の介護経験も交えて解説します。

 

飼い主さんが眠ることも、介護を続けるために必要

老犬介護をしていると、「自分が我慢すればいい」と思ってしまうことがあります。

私もそうです。

犬は悪くない。 歳を取っただけ。 不安で鳴いているだけ。 だから自分が頑張ればいい。

そう思ってしまいます。

でも、寝不足が続くと、人は本当に余裕がなくなります。

やさしくしたいのに、イライラしてしまう。 かわいいと思っているのに、「また起きた」と思ってしまう。 あとから自己嫌悪で苦しくなる。

これは、愛情がないからではないと思います。

眠れていないからです。 休めていないからです。 ずっと緊張しているからです。

睡眠導入剤を使うことは、飼い主さんが楽をするためだけではありません。

犬が眠る時間を作ること。 飼い主さんが倒れないようにすること。 介護を続けられる状態を保つこと。

そのための選択肢になることもあります。

老犬介護に疲れている方は、こちらの記事も読んでみてください。

老犬の介護疲れがつらい時に読む記事|少しだけ預けて休む方法
老犬介護に疲れた時、自分を責めすぎなくて大丈夫です。夜鳴きや徘徊、排泄介助で限界を感じる飼い主さんへ、ペットシッター・デイサービス・老犬ホームなど、「少しだけ預ける」休み方も含めてやさしく紹介します。

 

まとめ|老犬の睡眠導入剤は、獣医師さんと相談しながら慎重に

老犬の夜泣きや徘徊が続くと、睡眠導入剤や睡眠薬を考えることがあります。

それは、悪いことではありません。

ただし、犬に人間用の市販薬やドリエルを自己判断で飲ませるのは危険です。

老犬は薬が効きやすかったり、持病の影響を受けたりすることがあります。実際にうちの犬も、トラゾドン半錠でかなり効いてしまい、翌日に起きない・ふらつくような様子が見られました。

薬は、その子に合う量や使い方を探していくものだと思います。

そして、その判断は飼い主だけで抱えず、獣医師さんと相談しながら進めることが大切です。

夜鳴きや徘徊が続く老犬介護は、本当にきれいごとだけでは続きません。

「薬を使うなんてかわいそう」と思う気持ちも自然です。 「でも、もう眠れなくて限界」という気持ちも自然です。

どちらかを否定しなくていいと思います。

大切なのは、愛犬の安全を守りながら、飼い主さん自身も倒れない形を探すこと。

睡眠導入剤は、そのための選択肢のひとつとして、獣医師さんと相談しながら慎重に考えていきましょう。

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参考文献・サイト

・ONELife行動クリニックグループ「犬の認知症に使用する代表的な薬剤」
https://tomo-iki.jp/dementia/drug/10479

・石堂動物病院「犬の認知症の治療」
https://www.ishido-ah.com/hospitalnews/032/index4.html

・はら動物病院「高齢犬の認知症・夜鳴き相談と治療」
https://hara-ah.org/2024/01/04/%E8%80%81%E7%8A%AC%E3%81%AE%E5%A4%9C%E9%B3%B4%E3%81%8D%E3%80%80%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%A0%E3%83%A9%E3%81%AE%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%80%A7/

・ノアアニマルクリニック「夜鳴きのワンちゃんへの睡眠薬の処方」
https://noa-animal.net/sleeping_pills/

・桑原動物病院「老犬の夜間不眠・夜鳴きの原因と対策」
https://kuwabara-awc.com/worry/worry03.html

・キュティア老犬クリニック「シニア犬の認知症予防には睡眠が大切」
https://cutia.jp/jyuuishi-inu-neko-column/inu-anchieijingu/2023-04-03

・PubMed「Prevalence of behavioral changes associated with age-related cognitive impairment in dogs」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11394831/

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