老犬が「食べられない」原因と対策|受診目安も解説

old dog 3 シニア犬

老犬がご飯を食べないときは、まず「食べたくない」のか「食べられない」のかを分けて考えることが大切です。

そして、
「食べられない場合は、原因に合わせた対処が最優先」
異変が続く場合は、早めに受診するのが安全です。

「おやつは食べる」「水は飲む」「寝てばかり」など、一見判断が難しいケースもありますが、原因によって対応は大きく変わります。

この記事では、「食べられない」に絞って、原因・対処法・受診の目安まで順番にわかりやすく解説していきます。

※獣医師や動物介護士・フードメーカー・ペット関連企業のwebサイト、研究論文などを参考にしながら分かりやすくまとめています。参照元はこちら

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老犬がご飯を食べないとき、まず確認したい「食べられない」サイン

「食べたくない」との違い

老犬がご飯を食べない理由は、大きく分けて
「食べたくない」
「食べられない」
の2つがあります。

この記事では、このうち「食べられない状態」に焦点を当てます。

「食べられない」とは、単に食欲がないのではなく、
・噛めない
・飲み込めない
・姿勢を保てない
といった身体的な問題や、病気による不調で「体が受け付けない状態」を含みます。

「食べたくない」については、こちらの記事で説明しています。

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食べやすい食器・食器台や場作りについては、こちらもご覧ください。

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「食べられない」と判断しやすい行動

「食べられない」場合は、食事中の様子にサインが出やすくなります。

例えば、

・口に入れてもポロポロこぼす
・噛めずに途中でやめてしまう
・飲み込むときにむせる
・食事の姿勢を保てず途中で離れる
・食べようとするが諦める
・水は飲むのにご飯だけ受け付けない

こうした様子が見られる場合は、「食べない」のではなく「食べ進められない状態」と考えられます。

放置するリスク

この状態を放置すると、

・体重減少
・脱水
・筋力低下
・体力低下

といった悪循環に入りやすくなります。

特に老犬は、一度体力が落ちると回復に時間がかかるため、早い段階で気づくことがとても重要です。

また、食事量が減っているときは、水分が取れているかも一緒に確認しておきたいポイントです。水も飲みにくそう、尿が少ない、脱水が心配な場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。

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老犬が「食べられない」主な原因

口の痛み・歯周病・顎の筋力低下(噛めない)

歯周病や歯のぐらつき、口内炎などがあると「噛むと痛い」状態になります。
また、加齢によって顎の筋力も落ちるため、以前と同じフードでも噛めなくなることがあります。

歯周病については、こちらの記事も参考にしてみてください。

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嚥下力の低下(飲み込みづらい)

飲み込む力が弱くなると、食べ物をうまく喉へ送れず、むせたり飲み直したりするようになります。

この状態が続くと、「食べること自体が怖くなる」こともあり、食事量がさらに減る原因になります。

首・足腰の筋力低下(姿勢の問題)

意外と多いのが「姿勢がつらい」ケースです。

・首を下げ続けられない
・立っているのがつらい
・途中で疲れてしまう

こうした理由で、食べる前に諦めてしまうことがあります。

うちの犬がそうでした。

フラフラして立ってるの疲れちゃう。。。

嗅覚・味覚の低下(食べ始めにくくなる)

嗅覚や味覚の低下により、食べ物の香りや味を感じにくくなり、食べるきっかけがつかみにくくなることがあります。

この状態は、「食べたくない」と「食べられない」の中間にあたるケースで、どちらとも判断しにくいですが、
わがままと決めつけるのではなく、香りを立たせる・食べやすくするなど、両方の視点から調整していくことが大切です。

病気の可能性(重要)

老犬の「食べられない」には、病気が関係していることも少なくありません。

特に、

・腎臓病
・心臓病
・消化器疾患
・腫瘍

などは、食欲低下の大きな原因になります。

「水は飲むけど食べない」
「元気がない」

こうした場合は、早めの受診を前提に考えることが大切です。

原因別にできる対策

噛めないとき

・ふやかす/刻む/ペースト化
・温度調整(人肌)
歯や顎の負担が強いときは、まず「噛まなくても食べ進められる形」に変えるのが基本です。
ドライフードはぬるま湯でふやかし、必要なら細かく刻む、さらに難しい日はペースト状まで落としてあげると、口の痛みがある子でも食べられる可能性が上がります。
温度は熱すぎず人肌程度を目安にすると、香りが立って食いつきが上がりやすく、口当たりの刺激も抑えられます。

それでも固形に近いごはんが食べにくい、口からこぼしてしまう、飲み込みに時間がかかる場合は、流動食を検討する段階かもしれません。

流動食の作り方やシリンジで与えるときの注意点、市販の介護食の選び方については、こちらの記事で詳しくまとめています。

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飲み込みづらいとき

・とろみをつける
・少量ずつ与える
・姿勢調整(誤嚥予防)
むせや飲み込みの遅さが出るときは、一口量を減らし、飲み込めるペースに合わせることが最優先です。
水分を足すだけでなく、状態によってはとろみをつけて喉へ流れ込みすぎない形に調整すると、誤嚥予防につながります。
食べるときは首が反りすぎない姿勢をつくり、焦って食べさせないことが大切です。

姿勢がつらいとき

・食器台の調整
・滑り止めを敷く
・介助ハーネスの使用
食べる姿勢が負担になっている子には、フードの中身より先に「食べる環境」を整えると改善しやすいです。
食器は胸の高さを目安に上げ、食べやすい角度に調整。足元には滑り止めマットを敷き、立位が不安定なら介助ハーネスで体を支えます。
器の前での疲労が減るだけで、食べる量が戻るケースは少なくありません。

食器の高さや傾斜、足元の滑り止めだけで食べやすさが変わることもあります。食器台の高さや選び方は「老犬が食べやすい食器のおすすめと環境づくり」で詳しく解説しています。

食べ始めないとき

・フードを温めて香りづけ
・トッピング
・少量頻回でフードを与える
嗅覚や味覚の低下で食べ始められないときは、香りを立たせる工夫が有効です。
犬用スープや少量トッピングでにおいを補い、1回量を減らして回数を増やすと、体力のない日でも総量を確保しやすくなります。
「一度に完食」を目標にしすぎず、「1日で必要量に近づける」考え方に切り替えると、飼い主側の焦りも減らせます。

トッピングについては、こちらの記事で詳しくまとめています。

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我が家の19歳老犬の場合

うちの犬も、年齢とともに食事のときの様子が変わってきました。

最初は前かがみの姿勢がつらそうだったため、食事台の高さを調整(高くした)。
さらに、ご飯を出しっぱなしにせず時間で区切ることで、生活リズムが整い、メリハリが付いたせいかお腹が空くようになったようです。

その後、体重の減少や足腰の弱りが進んできたため、

・トッピングで食べるきっかけを作る
・食事の与え方を、1回量を減らし回数を増やす
・食べやすい角度に傾斜して、かつ重みのある食事台に変更(ひっくり返さないように)
・水分を工夫して補う

といった形に変えています。

最近は、食欲はあるのに食事中にふらついてしまい、うまく食べられない様子が見られます。
そのため、そばで支えながら食べさせるようにしています。

まさに、「食べない」のではなく、「食べたくても食べられない状態」を、実感しています。

リラクッションのような、立位を保ちながら体を支え食事ができるものがあればラクだなと思い、試しに自宅のクッションで似たような形を試してみました。

が、まだ自分の力で立ちたいようで、クッションに登ってしまうため、しばらくは飼い主側が支えてあげないといけなさそうです。

old dog2

やってはいけない注意点

無理に食べさせる

食べない時間が続くと、どうしても「何でもいいから口に入れたい」と焦ってしまいます。

ただ、むせや飲み込みづらさがある子に急いで流し込むと、誤嚥のリスクが高まります。

シリンジの使用や補助給餌は、自己判断で強行するよりも、獣医師さんに相談して方法を確認してから進める方が安全です。

薬を食事に混ぜる

薬を毎回ご飯に混ぜると、「このご飯は嫌な味がする」と学習して、食事そのものを避けるようになることがあります。

特に苦味のある薬では起こりやすく、食欲低下がさらに進む原因になりかねません。

投薬方法は薬の性質に合わせて獣医師に相談し、食事の印象を悪化させない工夫が必要です。

なかなか薬を飲んでくれない時の対処法については、こちらの記事で解説しています。

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おやつだけ食べる=安心と考える

おやつだけ食べる状態は、軽い好き嫌いで説明できる場合もありますが、それだけで安心はできません。

口腔痛、嚥下負担、内臓不調などがあって、主食を受け付けにくくなっている可能性もあります。

「おやつは食べる=問題なし」と決めつけず、主食摂取量や全身状態をセットで考えましょう。

急な食事変更

食べてほしい気持ちが強いほど、フードの種類やトッピングを短期間で次々変えたくなります。

しかし急な変更は、老犬の胃腸に負担をかけ、下痢や嘔吐を招くことがあります。

変更は少量ずつ、反応を見ながら段階的に進める方が、結果的に安定して食べられるようになります。

受診の目安

すぐ受診すべきケース

・24時間以上ほぼ食べない
・嘔吐や下痢
・ぐったりしている
・呼吸がおかしい

老犬が24時間以上ほとんど食べられない、あるいは食欲低下に加えて嘔吐・下痢・呼吸の乱れ・強い元気消失が見られる場合は、当日受診を前提に動くのが安心です。

とくに「水は飲むけれどご飯を受け付けない状態」が続くときは、体の内側で不調が進んでいる可能性があります。

迷ったときほど「もう少し様子を見る」より「先に相談する」判断が、結果的に回復を早めることにつながります。

受診前に確認すること

・食事量
・水分量
・排泄
・体重
・症状の変化

受診前にメモしておくと、診察の精度が上がりやすくなります。
最低限、

(1) 何をどれくらい食べたか
(2) 水をどの程度飲んだか
(3) うんち・おしっこ回数と状態
(4) 体重の推移
(5) いつからどんな症状が出たか

は整理して持参するのがおすすめです。

可能であれば、食事中の様子(むせ、こぼし、姿勢)を短い動画で残しておくと、病院で伝わりやすくなります。

受診後の自宅ケア

受診後は、処方内容を守りながら「食べられる形」を維持することが大切です。
指示されたフード形状や量、投薬方法を自己判断で変えず、食事量・飲水量・排泄・体重を継続して記録します。

改善が乏しい、またはむせ・嘔吐・ぐったりが再び強まる場合は、次回予約日を待たずに再相談しましょう。

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まとめ

老犬がご飯を食べないときは、「食べられない状態」に気づくことが最も重要です。

・口の問題
・飲み込み
・姿勢
・病気

こうした原因に合わせて対処し、無理に食べさせるのではなく、「食べられる形に整える」ことが基本です。

そして、異変が続く場合は迷わず受診することが、体力低下を防ぐ一番の近道になります。

 

参考文献・サイト

・ユニ・チャーム 前編(老犬がごはんを食べない理由)
・ユニ・チャーム 後編(家庭で実践できる食事の工夫)
・Vet’s Labo(獣医監修:高齢犬が食事を拒否する理由と対処)
・TRIZA(動物介護士:老犬が食べないときに試したいこと)
・AEON PET(老犬がご飯を食べない時の工夫)
・ペットライン(老犬の食欲不振の原因と対策)
・ぷにぷにpaw(老犬がご飯を食べない原因と受診目安)
・キュティア老犬クリニック(シニア犬・老犬が食べない)
・老犬ケア(食事の介護)
・桑原動物病院(シニア期の食事)
・ペットデセゾン(老犬がご飯を食べないときの対処法)
・小山レリーフ動物病院(食欲不振の原因と受診タイミング)
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