老犬が水を飲まないと、「何日くらい大丈夫?」「余命に関係ある?」「点滴が必要?」と不安になりますよね。
結論からいうと、老犬が水を飲まない時は、まず脱水や病気のサインがないか確認することが大切です。ぐったりしている、尿が少ない、ご飯も食べない、嘔吐や下痢がある、24時間以上ほとんど水を飲まない場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
一方で、元気や食欲があり、尿も普段通りであれば、器の高さ・置き場所・水温・食事からの水分補給などを工夫することで飲んでくれることもあります。
この記事では、老犬が水を飲まない原因、受診の目安、自宅でできる対処法、19歳の愛犬に実際にしている水分補給の工夫をまとめます。
※動物病院・獣医師さん監修記事、ペット関連企業のWebサイトなどを参考にしながら分かりやすくまとめています。参照元はこちら。
この記事でわかること
・老犬が水を飲まない時にまず確認したい危険サイン
・老犬が水を飲まなくなる主な原因
・1日に必要な水分量の目安
・家でできる水分補給の対処法
・ご飯を食べる場合、食べない場合の考え方
・点滴や皮下補液が必要になるケース
・19歳の愛犬に実際にしている水分補給の工夫
老犬が水を飲まない時は、まず危険サインを確認しよう
老犬が水を飲まない時にまず大切なのは、「今すぐ動物病院へ相談した方がいい状態か」を確認することです。
老犬は若い犬に比べて喉の渇きを感じにくく、寝ている時間も長くなります。そのため、気づかないうちに飲水量が減っていることがあります。
水を飲まない状態に加えて、次のような様子がある場合は注意が必要です。
・ぐったりしている
・ご飯も食べない
・尿が半日以上出ていない、または極端に少ない
・尿の色が濃い
・嘔吐や下痢がある
・呼吸が荒い
・口の中や歯茎が乾いている
・目がくぼんで見える
・24時間以上ほとんど水を飲んでいない
個体差や状況の違いがありますから「何日までなら大丈夫」と一律には言えません。
特に、老犬や持病のある犬は脱水や体調悪化が早く進むことがあります。半日〜1日でも、いつもと違う様子があれば早めに動物病院へ相談しましょう。
水を飲まない姿を見ると、命に関わる状態なのではないかと心配になるかもしれません。水を飲まないという一点だけで、今後の見通しを判断することはできませんが、水分を取れない状態が続くと脱水や内臓への負担につながるため、放置しないことが大切です。

老犬が水を飲まない主な原因
老犬が水を飲まない原因は、単に「年を取ったから」だけではありません。老化による変化に加えて、体の痛みや病気、認知症などが関係していることもあります。
加齢で喉の渇きを感じにくくなる
老犬になると、基礎代謝や活動量が落ち、若い頃より喉の渇きを感じにくくなることがあります。
寝ている時間が長くなると、水飲み場まで行く回数も自然と減ります。さらに、体内の水分量や筋肉量も減りやすいため、少しの水分不足でも体調を崩しやすくなります。
足腰や首がつらくて水飲み場まで行けない
老犬は、足腰・首・関節の痛みや筋力低下で、水を飲む姿勢そのものがつらくなることがあります。
床に置いた器まで首を下げる、前足で踏ん張る、ベッドから水飲み場まで歩く。若い頃は当たり前だった動きが、老犬には負担になることもあります。
口の中や体の痛みで飲みにくい
歯周病、口内炎、口腔内腫瘍などがあると、水がしみたり、口を動かすこと自体がつらかったりして、水を飲まなくなることがあります。
また、椎間板ヘルニアや関節炎、首や腰の痛みがある場合も、水を飲む姿勢を避けることがあります。
病気や体調不良が隠れている
腎臓病、糖尿病、肝臓病、胃腸炎、膵炎などの病気が関係していることもあります。
水を飲まないだけでなく、元気がない、ご飯を食べない、吐く、下痢をする、尿の量が変わったなどがある場合は、老化と決めつけずに動物病院で診てもらいましょう。
認知症や環境の変化で飲めない
犬の認知症では、水の場所がわからなくなる、器の前まで来ても飲み方がわからない、ぼーっと立ち尽くすといった行動が見られることがあります。
また、引っ越し、模様替え、家族構成の変化、騒がしい場所に水があるなど、環境の変化がストレスになって水を飲まなくなることもあります。
老犬に必要な水分量の目安と、飲めているかの見方
犬が1日に必要とする水分量は、体重1kgあたり40〜60ml、または50〜70ml程度が目安とされています。
たとえば、体重5kgの犬なら、1日200〜350mlほどが目安です。
ただし、これはあくまで目安です。気温、運動量、食事内容、持病の有無によって必要な水分量は変わります。
ウェットフードや手作り食を食べている場合は、食事から水分を取れているため、器から飲む水の量が少なく見えることもあります。反対に、ドライフード中心の場合は、食事から取れる水分が少ないため、水分補給を意識した方が安心です。
飲めているか確認したい時は、次のような方法があります。
・朝入れた水と夜残った水の量を比べる
・1日分の水をペットボトルに入れて、残量を見る
・飲んだ時間や量をざっくりメモする
・尿の回数、色、量も一緒に見る
大切なのは、数字だけに縛られすぎないことです。「その子の普段」と比べて急に減っていないかを見てあげましょう。

老犬が水を飲まない時に家でできる対処法
危険サインがなく、家で様子を見られそうな場合は、老犬が無理なく水分を取れるように環境を整えてみましょう。
器の高さと置き場所を変える
老犬は、床の器まで首を下げる姿勢がつらいことがあります。
水飲み台を使ったり、安定した台に器を乗せたりして、首を下げすぎずに飲める高さにしてみましょう。
また、水飲み場が遠いと、それだけで飲む回数が減ることがあります。寝床の近く、リビング、よく通る場所など、複数の場所に水を置くのもおすすめです。
老犬の水・食器台や環境づくりについては、こちらのページで詳しく説明しています。

水温・器・水の新鮮さを見直す
冷たすぎる水を嫌がる老犬もいます。常温の水や、少しぬるめの白湯を試してみると飲みやすくなることがあります。
器のぬめりやにおい、水道水の塩素臭、器の素材が気になって飲まないこともあります。水はこまめに交換し、器も清潔に保ちましょう。
ステンレス、陶器、ガラスなど、器の素材を変えるだけで飲むようになる子もいます。
食事から水分を取らせる
水だけで飲まない場合は、食事から水分を取らせる方法もあります。
・ドライフードをぬるま湯でふやかす
・ウェットフードを取り入れる
・スープ状のごはんにする
・いつものごはんに水分を足す
食事と一緒なら、自然に水分を取れることがあります。特に老犬は噛む力や飲み込む力も落ちてくるため、やわらかくすることで食べやすさにもつながります。
ささみの茹で汁などで香りをつける
水そのものに興味を示さない時は、ささみや鶏むね肉の茹で汁を少し使うと飲んでくれることがあります。
ただし、塩分や調味料は入れないようにしてください。人間用のスープ、味噌汁、スポーツドリンク、牛乳などは、老犬の腎臓・心臓・胃腸に負担になる可能性があるため避けましょう。
シリンジやスポイトは少量ずつ慎重に
自力で水を飲みにくい場合、シリンジやスポイトで少しずつ与える方法もあります。
その場合は、正面から一気に流し込まず、口の横から少量ずつ入れ、飲み込んだことを確認しながら行います。
むせる、苦しそうにする、口からあふれる、飲み込めないといった様子があれば、無理に続けないでください。寝かせたまま水を与えると誤嚥や窒息のリスクがあるため、体勢にも注意が必要です。
特に寝たきりの子や、むせやすい子にシリンジやスポイトを使う場合は、事前に獣医師さんや動物看護師さんにやり方を確認するようにしましょう。
ご飯を食べる場合・食べない場合で考え方は変わる
老犬が水を飲まない時は、「ご飯を食べているか」も大切な判断材料になります。
水は飲まないけどご飯を食べる場合
老犬が水を飲まないけれどご飯は食べる場合、ウェットフードやふやかしたごはんから水分を取れている可能性があります。
元気があり、尿の量や色も普段通りであれば、まずは食事からの水分量を確認してみましょう。
ただし、ドライフード中心なのに水をほとんど飲まない、尿が少ない、口の中が乾いているなどがあれば注意が必要です。
水も飲まないしご飯も食べない場合
老犬が水を飲まないうえにご飯も食べない場合は、脱水や病気、痛み、強い体調不良が隠れている可能性があります。
「年だから食べないのかな」と思ってしまいがちですが、老犬ほど早めに相談した方が安心です。
特に、ぐったりしている、立てない、吐く、下痢をする、呼吸が苦しそうといった様子があれば、早めに動物病院へ連絡しましょう。
水ばかり飲んでご飯を食べない場合
反対に、水は飲むのにご飯を食べない老犬もいます。
この場合、腎臓病や糖尿病などで喉が渇く一方、吐き気や口の不快感で食べられないことがあります。また、老化によって消化機能や代謝が落ち、固形物を受け付けにくくなることもあります。
水を飲めているから大丈夫、と判断せず、食欲不振が続く場合は動物病院で相談しましょう。

老犬が水を飲まない時、点滴や皮下補液が必要になることもある
老犬が口から水分を取れない場合、動物病院では点滴や皮下補液で水分を補うことがあります。
点滴が必要かどうかは、脱水の程度、病気の有無、心臓や腎臓の状態によって変わります。
また、自宅で皮下点滴を行うケースもありますが、必ず獣医師さんの指導が必要です。自己判断で行うものではありません。
心臓病や腎臓病がある老犬は、水分を増やせばよいとは限らない場合もあります。飲ませ方を工夫しても難しい時は、点滴も含めて獣医師さんと相談しましょう。
19歳の愛犬で実際にしている水分補給の工夫
我が家の愛犬は19歳の柴犬です。
17歳、18歳あたりから、従来のような食事や水分補給が少しずつ難しそうになってきました。当初は、食器や水置き台の高さを高くしたり、角度を調整したりすることで飲みやすくなっていました。
でも、そのうち立っていてもよろけるようになり、水を飲んでいる途中で体勢が崩れてしまうことが増えました。
そこで、食器や水置き台の近くに寄りかかれる壁のようなものを作ったところ、しばらくはうまく飲めるようになりました。
最近では、それでも転んでしまうことがあり、なかなか最後までうまく水を飲めません。座って飲むように体勢を変えさせたり、リラクッションのようなものに体を預けられるようにしたりも試しました。
ただ、本人はまだ「自分で立って飲みたい」という気持ちが強いようで、私たちが体勢を支えながら飲んだり食べたりしています。
寝ている時間がほとんどになった今は、水分補給のタイミングも少なくなりました。そのため、起きている時間にこちらからお水を口元に持っていくようにしています。
それでもなかなか飲まない時は、塩分を入れていないささみの茹で汁をあげることもあります。ささみの茹で汁だと、びっくりするくらい飲んでくれることがあります。
老犬の水分補給は、正解がひとつではありません。その日の体調、姿勢、気分、好み、ステージに合わせて、少しずつ方法を変えていくことが大切だと感じています。

まとめ|老犬が水を飲まない時は、無理に飲ませるより「飲める形」を探そう
老犬が水を飲まない理由は、加齢による喉の渇きにくさ、足腰や首のつらさ、口の痛み、病気、認知症、環境の変化などさまざまです。
ぐったりしている、尿が少ない、ご飯も食べない、嘔吐や下痢がある、24時間以上ほとんど水を飲まない場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
危険サインがなければ、器の高さや置き場所を変える、水温を調整する、食事から水分を取らせる、ささみの茹で汁で香りをつけるなど、できることから試してみてください。
老犬の水分補給は、「飲ませなきゃ」と焦るほど、飼い主さんも愛犬もつらくなってしまいます。
無理に飲ませるよりも、その子が安全に、少しでも楽に飲める形を一緒に探していくことが大切です。

参考文献・サイト
・【専門家監修】寝たきり老犬の水の飲ませ方|安全に飲ませる方法や脱水対策
https://pet-lifestyle.com/blogs/view/914
・愛犬が水を飲まない…危険なサインかも?獣医師が教える5つの原因と対策
https://www.kayama-ah.jp/16908645159356
・【獣医監修】犬が水を飲まない|どうなる?何時間で危険か・今すぐできる対処法と受診目安
https://nocoto-marche.com/blogs/contents/inu-nomanai
・犬が水を飲まない原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医師が解説
https://pshoken.co.jp/note_dog/dog_symptom/case039.html
・【愛犬が水を飲まない…】原因と自宅でできる対処法とは?
https://ruana-ah.com/blog/1461/
・犬や猫が水を飲まないとき〜与え方の工夫で飲水量を上げよう〜
https://puppily-ah.com/salon_news/dog-cat-not-drinking-water/
・【獣医師監修】犬が水を飲まないのはなぜ?5つの原因と今すぐできる対処法を徹底解説!
https://contents.kohnan-eshop.com/pet-dog-do-not-drink-water/
・愛犬や愛猫が水を飲まない!?┃正しい水分補給と注意すべき病気
https://www.nagahara-ah.com/column/dog-cat-hydration/
・犬が水を飲まないときの対処法!愛犬に水分補給を促す工夫とポイント
https://dog.benesse.ne.jp/withdog/content/?id=175561
・犬の1日に必要な水の量とは?体重別の目安と飲ませ方の工夫をご紹介
https://www.anicom-sompo.co.jp/inu/11816.html

